リビング≠テレビルーム

雑誌などで平面プランを眺めていると、

キッチンスペースにはキッチンが、

ダイニングスペースにはダイニングテーブルが

描いてあります。当然ですけど。。。

 

でも最近少し違和感を感じるのは、

リビングのソファセットとテレビ。

まるでテレビを観る為のテレビルームで

あるかのような家具の配置が気になります。

「家族みんなでテレビを観るのが楽しみです。」

というご家族は別ですが、あくまでも家族同士が

みんなで楽しくくつろぐことが大事で、テレビは

オマケみたいなもので充分だと思います。

家具や小さな雑貨に紛れるくらいの

存在感がちょうど良いです。

 

葛西 瑞都

 
 

住宅雑誌のリアリティ

住宅に限らず、建築に限らず、

ものづくり全般的に好きなんですが、

それでもやっぱり集める雑誌は

住宅雑誌が中心になります。

(↑机の後ろに積んだカラーボックス本棚)

雑誌に掲載されている住宅を見ていて、

・う~ん、あんまり興味ないな。

・お!楽しそう! 

 と大きく分けて2種類位の感想になります。

 

「土地は見晴らしの良い高台や、都市の一等地に

建つ、坪単価が分からないほど高価で素敵な住宅」

 

というような住宅は僕にとってリアリティが無くて、

どちらかというと、

 

「土地は狭小で、旗竿状。予算に余裕は無いけれど、

設計者の工夫と建て主の人柄が伝わる小さな住宅」

 

みたいな住宅が好きです。予算に余裕のあるお客さん

なんていませんから、とてもリアリティを感じます。

そんな住宅の掲載写真に家族が写っていたり、

楽しそうな生活の様子が伝わってくるものだと最高です。

 

そんな住宅雑誌ばかり読んでいます。

 

葛西 瑞都

 

CUT BOX 954

弘前市の実業高校正門の向かいに、

「CUT BOX 954」という理容室があります。

駐車スペースの不便が理由で移転することになり、

現在設計が進んでいます。移転先は弘前市泉野。

敷地は大手のレンタルビデオ店に隣接していて、

人通りが多い環境です。

普通ならそんな賑やかな店舗の方にバン!と

大きな開口をつくってインパクトのある外観に

したくなるところですが、そういう佇まいには

したくありませんでした。

あまり店内が見えすぎていると、店内にいる

人が落ち着かない空間になってしまう気が

していました。

なので、理容室とレンタルビデオ店との間に

壁をつくって建物の足元を隠しています。

理容室と壁の間はテラスになっていて、

店内へのアプローチを兼ねています。

開口部は低く抑えて、向こう側の

レンタルビデオ店が目に入りにくいように。

 

そのかわり、内部空間はテラスを含めて

実際以上の広がりを感じられるように。

 

床面積は限られているけれど、外側に壁を

一枚つくることで、中に居るときにテラスを

内部空間のように感じられれば、広がりのある

開放的な空間として感じられると考えました。

でも、実際にはテラスは外部なので、小さな

ギャラリーのような使われ方になる予定です。

ギャラリーというと少し固い感じがしますが、

夏にはサーフィンの板を立てかけたり、

冬にはクリスマスツリーを飾ったり、

奥様が植物を置いたり、

ご主人がバイクを置いたり。

たまに家族みんなでバーベキューも

したり、好きに使える空間です。

 

そんなテラスがあることで、

来店するお客さんが毎回訪れるのが楽しみに

なるようなお店になればと思っています。

そんな楽しそうな雰囲気が少しずつ壁の向こう側へ

あふれ出していくといいなぁ。

 

たくさんの人に訪れてもらって、その人達に

「なんだか楽しげなお店ができたなぁ」と

感じてもらえて記憶に残ったとき、このお店は

街の「小さなランドマーク」になるはずです。

「繁盛すること」とは別に、近所の親子連れや

おじちゃんが自然に集まっておしゃべりしたり

できるような居場所になればいいなぁと思います。

葛西 瑞都