内外を等価に考える
隣家が迫るように建ち並ぶ住宅地において、生活の重心を外に置くことを考えた住宅。
敷地全体を包むように壁を立ち上げ、その中にもう一度内部と外部を計画しています。
入口の扉を開けるとまず開放的な中庭空間が広がっていること。先に快適な「外」について
考え始めることで、内部だけで完結しがちな生活が自然に外部へと広がっていくことを意図しています。
庭がもうひとつのLDKとして使われるとき、建築の豊かさが最大限に拡張します。
内部のように家具や雑貨が並べられ、雨粒や雪、空の明るさや暗さなどの外的要因が
インテリアの一部のように親密に感じられます。
そもそも外部環境についてネガティブな先入観がある豪雪地域において
内外が複雑に混ざり合い影響し合うような建築を考えることは
性能や数値では表せない根源的な快適さを思い出すきっかけになると考えました。