木造の巣をつくる
ご夫婦とお子様1人と猫たちが暮らす住宅です。
敷地は斜面を開発してつくられた住宅地の端部。
道路向かいの桜の木が植えられた公園とその向こうの山並みの景観を
楽しむために2階リビングとし、床面積の1/3を占める大きなテラスを計画しました。
テラスのある景色方向のみ開放的に開かれたシンプルな外観。
木造の架構がそのまま自然な意匠として現れて、
面ではなく奥行きを感じる佇まいになりました。
景色に向かって大きく開いていく片流れ屋根の勾配天井空間は
建物の間口すべてを使った開口によりダイレクトに内外が繋がり、
遠く向こうの景観までインテリアのような距離感で感じられます。
仕上げは全て木質とし、暮らしながら多数所有しているアート作品を
好きな場所に自由に飾れるフレキシブルでラフな仕上げとしています。
柱や梁などの構造体、壁や天井の仕上げ、階段や手摺、キッチン収納や
ダイニングテーブルなどの家具まで境界なくデザインすることで
空間全体が生活と親密な距離感にある「巣」のような環境が生まれました。