GOOD DESIGN AWARD 2025




お店の営みが表出する外観/外の風景が広がる内観
地元の食材を使用した手作りジェラートを販売するテイクアウトショップの計画です。
通常テイクアウトショップという形式はその滞在時間の短さから建築の空間体験が乏しいため
地域の人々の記憶にやわらかく残る空間、佇まいについてご提案しました。







厨房まで含めたショップ全体を鏡面の勾配天井で覆い
突き当りに生まれる三角形の壁面も鏡面で仕上げました。
勾配天井と向き合う垂直面は、全面ガラスで内外をつないでいます。
外から建築を眺めると、ガラスの開口部を通して店内を見下ろす光景があります。
お客や店員の動き、ジェラートの陳列、クレープの焼き台、そのひとつひとつの
内的要素が外観をつくっていきます。
店内を見上げるとインテリアが消えて空が広がっています。
大きなガラス面も壁の鏡面で反転して引き延ばされて鏡像が遠くまで続いていきます。
天候や時間帯や季節の移り変わりによる様々な風景がそのままダイレクトに
空間の雰囲気をつくっていて、お客はその風景の下でジェラートを選びます。









外で内部空間を感じ、内で外部環境を感じる建築。
街並みの風景と、お店の営みの風景が一体的に混ざり合いながら存在していきます。