さまざまな大きさの開口部はそれぞれいろんな個性を持つ子どもたちをあらわしていて、
それぞれの個性を尊重しつつもそれらが対立せず調和している状態を表現しています。
建物の外壁は正面から奥にいくにつれて、曲面を描きながらだんだん低くなっていき、最終的に腰壁の高さになります。
壁に囲まれている部分は中庭です。隣地には中学校が建っていて、中庭で遊ぶ子どもたちが中学校から見え、また子どもたちからも中学校の教室や部活動のようすが見えます。
子どもたちは高い壁の場所でこもるように遊んでもいいし、低い壁の場所で周辺の環境を感じながらオープンに遊んでもいいです。
グラデーションのように変化する社会との距離感を子どもたち自身が選びます。
エントランスを入ってすぐの機能訓練室、ボルダリングをしたり、トランポリンをしたり、かけっこをしたりする体を動かす場所です。
ここからすぐ奥の中庭に出て外で遊ぶことができます。
奥のボルダリングの壁は、子どもたちがだんだんと成長してく様子をイメージしたデザインで、右から左に徐々に大きくなっていき、
だんだんと難易度もあがっていくようにつくられています。
天井がRにくりぬかれたドーマー窓は、内側がしっくい仕上げでやわらかい光が差し込み、春になれば桜が咲いているのが見えます。
内部と外部、広い場所と狭い場所、明るい場所と暗い場所、動的な場所と静的な場所、隠れる場所とこもれる場所、
多様な居場所が混在して1つのワンルーム状の空間をつくっていて、子どもたちはその日の自分が行きたい場所で過ごします。
中庭へと続く縁側は子どもたちが裸足で走り回れる場所。筋交いにぶら下がったり、登ったり、くぐったりできるように1間幅のスパンで現しにしています。
いろいろな色の袖壁は左側が機能訓練室(動)から見える興奮色、右側が機能訓練室(静)から見える鎮静色でそれぞれの場所の用途に対応しています。
やわらかい仕切りで少しこもれる感じのPCコーナーと屋根付きのひそひそベンチ。