今進行中の「カットボックス954」と「若松の家」を
比べてみると、少し面白いんです。
まず「カットボックス954」では、建物の外側に
壁を建てて、内外の壁、床の仕上げを
合わせています。
建物と壁の間にできた小さなテラスは、
店内から見ると内部空間の延長として
感じられるようにしています。
ここでつくりたい空間は、「内の様な外」です。
次に「若松の家」では、リビングと外部との間に
「内庭」という緩衝空間をつくっています。
この「内庭」は大きな開口が設けられており、
昼間はリビングよりも明るく、夜は最低限に
抑えられた灯りによってリビングよりも暗い、
どちらかといえば外部に近い空間になります。
天井は住宅としてはとても高く、壁は外壁に
使われる材料で仕上げます。
「内部空間」と「外部」の間に「半外部空間」の
ような場所をつくり、これにより生活が緩やかに
外部まで繋がっていくような広がりをつくろうと
しています。
ここでつくりたい空間は、「外の様な内」です。
「内の様な外」と「外の様な内」。
どちらも実際の床面積以上の広がりを
感じさせる空間で、そういう用途不明確な、、、
暮らし方によって使い方が変わっていける
ような空間です。
ん?どちらも同じことを考えた空間?
でも、つくろうとしている空間は正反対。。。??
考えれば考えるほどわからなくなりますが、
どちらも楽しくて気持ち良い空間になりそうです。
葛西 瑞都
2011年12月29日 (木曜日)