2012年の11月に完成した「中野の家」は、
今年の2月頃発売の青森テレビが発行する
「wagaya」という雑誌に掲載されます。
雑誌の編集者と打ち合わせを繰り返して
やっと校正が完成したところで、写真の
データが届いたので一足先にご紹介します。
↑前面道路から見た外観です。
敷地は道路面から80cm位上がっていて、
ゆったりしたスロープ状のアプローチから
入っていきます。すぐ左手にインターホンと
ポストがあって、現在はインターホンの上部
に表札が付けられています。
↑数m進むと右手には薪小屋が。
自転車を停めるスペースもあります。
ガレージ内の玄関から中へ入ると、薪ストーブ
のある土間スペースがあります。
中に上がって振り向くと大きな開口の向こう
にガレージに停車している愛車を眺めることが
できます。インターホンを敷地の入り口に配置
したのは、この開口面をつくるためです。
階段を上がっていくと、愛車を見下ろすような
視点になります。スキップフロアの構成を
ご提案した理由は、この愛車と庭をどこから
でも、また色々な距離で眺められるようにと
考えたからです。家族同士の距離感にも
多様性を生んでいます。
↑階段からキッチン方向を見ています。
キッチン上部には宙に浮いた渡り廊下が
あります。
キッチンは天井が2.1mと低い代わりに
スリット状の吹抜けがあります。
そのスリットから上にいる子供や、上部に
見えるパソコンコーナーのご主人と会話
できます。背後の壁いっぱいの棚は、
どの高さまでをキッチンで使うかは気分に
よって決めます。
壁面棚は地震時に物が下に落下しないように、
手前部分にひっかかりを付けています。
雑貨を飾ったり箱を並べたり、暮らし方によって
使い方は様々です。パブリックな空間と
プライベートな空間との間にあって、この棚の
前を歩いて気分を切り替えます。
キッチン上部の渡り廊下からは家中の様子が
伺えます。↓の写真ではリビングと小上がりの
畳スペースが。下方向にはダイニングが
見えます。階段状の段差は、本棚になったり
蓄熱暖房機が仕込まれていたり、腰掛けたり
大人と子供の視線を近づけたりと様々な
効果を生んでいます。
水廻りは少し距離感が欲しいというご希望が
ありました。実際以上の感覚的な距離感を
つくるために、キッチンそばの縁側のような
空間を通ってアプローチします。仕上げの
素材も外部と合わせていて、外の離れに
行くような雰囲気です。
と、雑誌の文章よりもざっくり書いてみました。
たぶん来月には書店に並び始めますので、
見かけたら一度手にとっていただけたらと
思います。
葛西 瑞都
2013年1月10日 (木曜日)