先日2週間続けてオープンハウスが
行われたのですが(いらしてくれた方々、
本当にありがとうございました。)
その時に考えていたことをお話しします。
見学に来てくれた方々とお家のことで話して
いると、例えば「広いリビングが欲しいです」
ということを言われることがあるのですが、
つい「それでは何畳位が良いですか?」と
聞き返してしまうことがよくあります。でも「広さ」の
感じ方や考え方というのは実は多様にあって、
大きな窓で庭に繋がるような空間にしたい人も
いるし、天井が高ければそれでいいという人も
います。一部に土間なんかがあるような空間の
用途がたくさん欲しい人もいれば、置きたい家具が
しっかり決まっていて現実的に○㎡の広さが
欲しいという人もいます。例えばこれらの要素を
全て含むことのできる大きな空間をつくることも
できると思いますが、それでは空間の豊かさに
繋がらないような気がしています。僕が興味が
あるのは、その人が言っている「広さ」って、どんな
広さのことだろう?ということです。そんなことが
上手く考えられている空間は、もしかしたら
他の人にとっては「狭く」感じるかもしれない
けれど、住む人にとっては広々とした楽しい
空間になっていると思うのです。
少し個人的なお話になりますが、僕がふだん読んでいる
建築雑誌の中で目を引く住宅は巨大で豪華な豪邸
ではなく、おそらく予算もギリギリで大きくはない
けれど、小さな工夫や建築家と建て主との親密な
やりとりが感じられる様な建物が多いです。僕が
良い建物だなぁと感じる理由のひとつには
よく考えられた「広さ」という基準があるんだと思います。
住む人や使う人にフィットした空間というのは
とても豊かな空間だと思います。
とびきりのオーダーメイド・ハンドメイドな建物を
つくっていきたいと思います。。。
葛西 瑞都
2013年11月16日 (土曜日)