久しぶりのブログになってしまいました。
さて、最近設計させていただく住宅は
実例のオープンハウスや掲載雑誌の
影響もあってか、中庭やテラスの様な外部空間と
室内とが流動的に繋がっている事が
多いような気がしています。
普段から建物だけではなく敷地や周辺環境に
対しても気を配っていますが、
内と外が繋がる空間の場合、
どのように接しているか、
その関係性自体の考え方から設計するように
しています。
そんな中、平川市で工事中の「本町の家」という
住宅は、少し今までとは違う関係性を考えていて、
今回はそのことを少し書いてみたいと思います。
![](https://mizuiro-architects.com/wp-content/uploads/2019/10/20151101.jpg)
「本町の家」は中庭のある家型の形をした
住宅です。
通常は庭やテラスなどの外部空間を
どう計画するか考える時、
先に内部のボリュームを考えて、
外部はそのボリュームの真ん中をくりぬいたり、
端に寄せたりして、
「内部に対してどう配置するか?」
と考えているですが、
「本町の家」では内部と外部の優先順位を
等価に扱って設計する事をテーマにしています。
![](https://mizuiro-architects.com/wp-content/uploads/2019/10/20151102.jpg)
敷地の中に全体の縁取りとなる壁を
ぐるっと廻して、その中の半分を室内、半分を
中庭にするという、とてもシンプルな考え方です。
同時に出来上がる内と外とに優先順位はありません。
そして内部はもちろんですが外部も内部と同じ位の
密度で設計しています。
例えばリビングを考えるようにコンクリート土間の
テラスのことを考えたり、家具の置き方を考えるように
植栽の配置を決めたり。
内外を同じ比重で考えてみると、なにかあたらしい概念で
家づくりができそうな、
楽しいことが起こりそうな気がしています。
あたらしい広さの感じ方のこと、
あたらしい家族同士の距離感を、
シンプルな構成でつくること。
完成が楽しみです!
葛西 瑞都
2015年11月22日 (日曜日)