前回も少しご紹介した「本町の家」
の模型が完成して、ワクワクが納まら
なかったので、今回も
「本町の家」のお話です。
![](https://mizuiro-architects.com/wp-content/uploads/2019/10/20151210.jpg)
敷地は街の大通りから一本入った、
人通りも車通りも多い道路の一角にあり、
さらに細い道にも接している、
いわゆる二面接道の敷地です。
建物自体の設計以上に、
敷地にどのように配置するかが
大きな課題でした。
僕としては、住宅を道路からなるべく離して、
大きな窓はカーテンで閉じるような外観は
つくりたくありませんでした。
住人が周辺地域を信用していないような
雰囲気になるからです。
そこで、内部と同じ大きさの外部空間を持つ
住宅を提案しました。
住宅と街との間に大きな中庭を配置することで、
お互いの中間領域の様な空間をつくっています。
![](https://mizuiro-architects.com/wp-content/uploads/2019/10/20151211.jpg)
![](https://mizuiro-architects.com/wp-content/uploads/2019/10/20151212.jpg)
![](https://mizuiro-architects.com/wp-content/uploads/2019/10/20151213.jpg)
歩行者の空を狭くしないよう建物の高さを
極力抑え、屋根には大きく育った中庭の緑を
街と共有できるよう大きな開口を設けました。
住み手にとっては周囲からの視線や騒音を
気にすることなく、部屋着のまま庭にふらっと
出られるような安心感を。街にとっては
このお家がある事で、
いつの間にか少し風景が豊かになっているように。
派手な装飾や奇抜な形の「目立つ建物」ではなくて、
周辺と静かに調和しつつも
「際立つ建物」になれば良いと思います。
葛西 瑞都
2015年12月18日 (金曜日)