仕事中にふと目を移した先に、
小さな模型と鉢植えが並ぶ光景がありました。
建築の設計では、よくスケールという言葉が登場します。
この模型は1/50という縮尺で作られています。
つまり、横幅も奥行きも高さも50倍にすると実物大。
本当は毎回1/1の大きさで試作できれば良いのですが、
扱いやすい大きさまでムリヤリ縮めて検討の材料にします。
この1/50の模型の隣には、当然ですが実物大1/1の植物。
このふたつは別のスケールの世界の物なのですが、
そのスケールの差をいったん取り払ってみると
面白い事が起こります。
方法は簡単で、模型の家の住人になりきってしまうこと。
自分の家の隣に、大木が出現する事をイメージするだけです。
この模型が1/50であることもこの植物がちいさな鉢植えで
あることも忘れて、風景を眺めるように俯瞰してみる。
その瞬間、それぞれのスケールの境界を
一瞬で飛び越えることができます。
このスケール感の縦断が、建築を考える時に想像の殻を破る
きっかけになっていてます。
例えばテーブルやベンチを設計する時に
木造の骨組みの様な考え方をしたりとか、
建物の外観やボリュームを考える時に
街並み全体のあり方を参考にしたりとか。
建築ならではのこんなに楽しい想像について考えたこと。でした。。。
葛西 瑞都
2017年4月23日 (日曜日)