これから工事が始まるプロジェクトのひとつに、
青森市の浪岡に建つ
ヘアサロン併用住宅「Lamp House」があります。
元々建て主の奥様が近所で営んでいた
ヘアサロンを、今回新たな住まいと併せて
つくることになりました。
![](https://mizuiro-architects.com/wp-content/uploads/2019/10/20181107.jpg)
この建物には、幅6.8m×奥行6.3m、高さが7mくらいの
大きな がらんどう(空っぽ) の空間があります。
南側の前面道路に開かれたこの空間は、
まちと共有する余白です。
建物の外観が目に入ったときに、
そびえ立つ壁面が街並みを圧迫するのではなく、
自然に視線が抜けるような軽やかなものに
なるようにと考えました。
夜にはがらんどうに明かりが灯って、
店名の示すように大きなランプの様相に。
![](https://mizuiro-architects.com/wp-content/uploads/2019/10/20181108.jpg)
多くの場合、建物の内部に吹抜け空間を
つくるときにはなるべく梁などの構造部材を
減らして、すっきりシンプルにつくりたいものです。
でもこの「Lamp House」では、
まるでそこに床や壁や天井をつくるかのように、
たくさんの柱や梁が現しになっています。
この巨大なジャングルジムの様な構造体によって、
300立方メートル近い容積の大空間は
親密で明確なスケール感で連続する、
あたらしい住空間になります。
![](https://mizuiro-architects.com/wp-content/uploads/2019/10/20181109.jpg)
この軒下空間は、壁も天井も木製の仕上げ。
まるでまだ途中のような、未完成のような
不思議な仕上がりになると良いなぁ。
複雑な陰影が床や壁に投影される様子を
目撃するのも楽しみです。
このたくさんの構造体は住まい手の新たな
アイディアもたくさん引き受けてくれる予感が
していて、ブランコやハンモックを吊るせたり
するのはもちろん、後で簡単に床を増やして
居場所をつくったりする楽しみもあります。
![](https://mizuiro-architects.com/wp-content/uploads/2019/10/20181110.jpg)
リビングには、南面の巨大な開口からの日光が
構造体によって少しだけ遮蔽、反射して、
柔らかな光となって届きます。
多分、この住まいは時間や季節の移ろいを
光や影の状態としてドラマチックに
感じられるんだろうなぁと妄想しながら、
せっせと図面を描いてます。
葛西 瑞都
2018年11月20日 (火曜日)