2019年

反射と透過と屈折。

新しい事務所のレイアウトが

出来上がってきたのでご紹介します!


まず空間を構成する大きなポイントとして、

築年数の古いこの建物に自然に馴染むよう、

新たにつくる家具や什器を

同じ位の古さの解体予定の建物の部材を

使ってつくっていく事を前回書きました。

時間の経過を感じる重々しい質感の空間に、

同じくらいの質感を重ねていく。

そんなことを考えている中で同時に、

空間の印象として軽やかさのようなものを

感じられるようにできないか?とも

考えていました。

今回はそのことを交えながら色々と。

まずは模型棚からです。

模型棚は入口のそばから奥へと続く大きな2段棚です。

解体される建物の部材を使って、木造の建物を

つくるように組み上げます。

高さが1.3m、長さは4.8m。

大きな家具の様な。

小さな建築の様な。

上の写真の右側の模型棚の背後はバックヤードに

なるのですが、その間にはどうしても間仕切壁が

必要になります。

そこで、模型棚の背後の壁面を

高さ1.8mの大きな鏡にします。

視覚的に行き止まりにならずに視線が反射して、

後ろの模型棚や、部屋の一番奥にある大きな窓が

自然に視界に入る。

部屋の突き当たりのスペースは僕達の

作業スペースで、その手前までが

応接のためのスペースです。

これらのスペースは、高さ1.3mの

引き戸で仕切られます。

上の写真ではわかりにくいですが、

引き戸は窓の明るさを損なわないよう

全面がガラス。

僕達の作業スペースは散らかっている事が

多いので、通常の透明ガラスではなく

少し歪みのあるガラスを使って、

向こう側が散らかっているのが

気にならないようにしたい。

ということで、何種類かのガラスを

取り寄せて検討中です。

・・・写真だと歪みがわかりにくいですね。

最後は打合せスペース。

訪問した人と長い時間お話するこのスペースは、

このテーブルがシンボルのような存在です。

水面の様な天板。

他と同様、古材を組んで枠をつくります。

高さ105mmの枠の底に鏡を敷いて、その上に

厚さ70mmでエポキシ樹脂を流し込みます。

工程はまるでコンクリート工事のようです。

透明なまま硬化した樹脂は

通過する光を屈折させるので、

映り込むのは少し歪んだ、

滲んだ柔らかな風景です。

テーブルを囲む人達は、

水面を覗き込むように席に着きます。

樹脂の表面と底板の鏡は70mmも

離れているので、天板に置いた物の

底面が良く見える、不思議な天板です。



大きな鏡や、ゆがみのあるガラス、厚さのある樹脂。

反射、透過、屈折。

重々しい空間の中で、自然に軽やかさを感じられる。


そんな環境で仕事が出来るのを楽しみにしながら、

これから少しずつ工事が始まっていきます!

葛西 瑞都