新しい事務所のレイアウトが
出来上がってきたのでご紹介します!
まず空間を構成する大きなポイントとして、
築年数の古いこの建物に自然に馴染むよう、
新たにつくる家具や什器を
同じ位の古さの解体予定の建物の部材を
使ってつくっていく事を前回書きました。
時間の経過を感じる重々しい質感の空間に、
同じくらいの質感を重ねていく。
そんなことを考えている中で同時に、
空間の印象として軽やかさのようなものを
感じられるようにできないか?とも
考えていました。
今回はそのことを交えながら色々と。
まずは模型棚からです。
![](https://mizuiro-architects.com/wp-content/uploads/2019/10/20190301.jpg)
模型棚は入口のそばから奥へと続く大きな2段棚です。
![](https://mizuiro-architects.com/wp-content/uploads/2019/10/20190302.jpg)
解体される建物の部材を使って、木造の建物を
つくるように組み上げます。
高さが1.3m、長さは4.8m。
大きな家具の様な。
小さな建築の様な。
上の写真の右側の模型棚の背後はバックヤードに
なるのですが、その間にはどうしても間仕切壁が
必要になります。
![](https://mizuiro-architects.com/wp-content/uploads/2019/10/20190303.jpg)
そこで、模型棚の背後の壁面を
高さ1.8mの大きな鏡にします。
視覚的に行き止まりにならずに視線が反射して、
後ろの模型棚や、部屋の一番奥にある大きな窓が
自然に視界に入る。
![](https://mizuiro-architects.com/wp-content/uploads/2019/10/20190304.jpg)
部屋の突き当たりのスペースは僕達の
作業スペースで、その手前までが
応接のためのスペースです。
これらのスペースは、高さ1.3mの
引き戸で仕切られます。
上の写真ではわかりにくいですが、
引き戸は窓の明るさを損なわないよう
全面がガラス。
僕達の作業スペースは散らかっている事が
多いので、通常の透明ガラスではなく
少し歪みのあるガラスを使って、
向こう側が散らかっているのが
気にならないようにしたい。
ということで、何種類かのガラスを
取り寄せて検討中です。
![](https://mizuiro-architects.com/wp-content/uploads/2019/10/20190305.jpg)
・・・写真だと歪みがわかりにくいですね。
最後は打合せスペース。
![](https://mizuiro-architects.com/wp-content/uploads/2019/10/20190306.jpg)
訪問した人と長い時間お話するこのスペースは、
このテーブルがシンボルのような存在です。
水面の様な天板。
他と同様、古材を組んで枠をつくります。
高さ105mmの枠の底に鏡を敷いて、その上に
厚さ70mmでエポキシ樹脂を流し込みます。
工程はまるでコンクリート工事のようです。
![](https://mizuiro-architects.com/wp-content/uploads/2019/10/20190307.jpg)
透明なまま硬化した樹脂は
通過する光を屈折させるので、
映り込むのは少し歪んだ、
滲んだ柔らかな風景です。
テーブルを囲む人達は、
水面を覗き込むように席に着きます。
![](https://mizuiro-architects.com/wp-content/uploads/2019/10/20190308.jpg)
樹脂の表面と底板の鏡は70mmも
離れているので、天板に置いた物の
底面が良く見える、不思議な天板です。
大きな鏡や、ゆがみのあるガラス、厚さのある樹脂。
反射、透過、屈折。
重々しい空間の中で、自然に軽やかさを感じられる。
そんな環境で仕事が出来るのを楽しみにしながら、
これから少しずつ工事が始まっていきます!
![](https://mizuiro-architects.com/wp-content/uploads/2019/10/20190309.jpg)
葛西 瑞都
2019年3月30日 (土曜日)