「旭ヶ丘の家」の造作家具のひとつに、
ダイニングテーブルと2脚のベンチがあります。
今回は階段や手すりなどに鉄を使っているので、
テーブルとベンチにも鉄を使ってみませんか?と
建て主のご夫婦にお話したところ、 2つ返事でOKを
頂いたので張り切って設計させていただきました。
せっかく鉄を使うので、鉄でしかつくれない
プロポーションが良いなぁ。。。という感じで
早速鉄骨屋さんと相談。手すりには丸い断面を
使いましたが、座面や天板が付く家具には
四角い断面の方がいいだろうとのこと。
3センチ角の鉄パイプでシンプルなフレームを
組んで、それに建具屋さんが天板と座面を
取り付けて完成しました。
テーブルの大きさはおよそ畳1枚分。真横から
見るとわかりやすいのですが、天板の大きさに
比べて厚みがとても薄い。。。鉄の強度があって
初めてつくれるプロポーションです。
そしてもうひとつ重要なことがあって、それは
成り立ちが明快でわかりやすいということ。
誰が見ても
「鉄のフレームに木の板が乗っているだけ。」
ということがわかります。
何か余計に厚みをつけて、隠れた内部で
細かな細工をしたりすると、成り立ちとしての
透明感が無くなってしまう様な気がしています。
(つくる方からすればつくりやすいのですが。)
なので精度も手間も必要な方法をあえて
選択しました。
ちなみにテーブルセットが置かれるのはここ↓。
建築の一部である手すりと、
家具であるテーブルとベンチ。
建築とか家具とかジャンル分けしないで
空間をつくる要素として、同じように考えてみると、
何だかまだまだ楽しい発見がありそうです。
葛西 瑞都
2014年3月19日 (水曜日)