ダイニングテーブルと2脚のベンチ。

「旭ヶ丘の家」の造作家具のひとつに、

ダイニングテーブルと2脚のベンチがあります。

今回は階段や手すりなどに鉄を使っているので、

テーブルとベンチにも鉄を使ってみませんか?と

建て主のご夫婦にお話したところ、 2つ返事でOKを

頂いたので張り切って設計させていただきました。

 

せっかく鉄を使うので、鉄でしかつくれない

プロポーションが良いなぁ。。。という感じで

早速鉄骨屋さんと相談。手すりには丸い断面を

使いましたが、座面や天板が付く家具には

四角い断面の方がいいだろうとのこと。

3センチ角の鉄パイプでシンプルなフレームを

組んで、それに建具屋さんが天板と座面を

取り付けて完成しました。

テーブルの大きさはおよそ畳1枚分。真横から

見るとわかりやすいのですが、天板の大きさに

比べて厚みがとても薄い。。。鉄の強度があって

初めてつくれるプロポーションです。

そしてもうひとつ重要なことがあって、それは

成り立ちが明快でわかりやすいということ。

誰が見ても

「鉄のフレームに木の板が乗っているだけ。」

ということがわかります。

何か余計に厚みをつけて、隠れた内部で

細かな細工をしたりすると、成り立ちとしての

透明感が無くなってしまう様な気がしています。

(つくる方からすればつくりやすいのですが。)

なので精度も手間も必要な方法をあえて

選択しました。

 

ちなみにテーブルセットが置かれるのはここ↓。

建築の一部である手すりと、

家具であるテーブルとベンチ。

建築とか家具とかジャンル分けしないで

空間をつくる要素として、同じように考えてみると、

何だかまだまだ楽しい発見がありそうです。

 

葛西 瑞都