建築という言葉を聞くとどこか難しいイメージがあって、
とっつきにくい感じがあると思います。
たしかに公共の施設やお店なんかの
不特定多数の人が使う建物は、色々な人にとって
快適になるようにある一定のガイドラインみたいな規定があって、
なんというか、全体的に平均点の高い空間が求められます。
でも、住宅に関して言えばそんなことはなくて、
暮らす人の好きなようにつくることができます。
趣味や遊びのための家や、仕事場がくっついた家、
子供が走り回れる家、友達をたくさん呼べる家、
ただひたすらダラ~っと過ごす家。。。
自分が居心地の良い空間を考える時に、
ガイドラインはありません。
だから、難しいイメージを取り払って、
みんなで前のめりになって一緒に考えていくような
お付き合いが理想的だと考えています。
工事が始まると建て主さんとの打ち合わせも
ほぼ100パーセント現場で行われます。
例えば収納棚のデザインを決める時に、
細かな寸法が入った図面や資料も一応?用意して
いくのですがだいたいはその場で壁に手を当てて
「この辺に棚板がきます」とか、「壁からの出はこのくらいです」
みたいな感じで決まっていきます。
詳細で正確なはずの図面よりも、
現場で身振り手振りで考えた方がずっとわかりやすいからです。
すると建て主さんも、「このくらいがいいです」と
手を使って表現できます。
図面はその辺に置いておいて。
頭でなく体を使って
考えていると、時には建て主さんから素晴らしい
アイディアを頂けたりする時もあります。
一般的なイメージでは難しそうでとっつきにくかった建築が、
実際のところ身振り手振りで考えられていたり、
時にはあまり考えず直感で決断していたり、
とても自由に決められていきます。
多分これは結構重要なんじゃないかと考えていて、
そんなふうにつくられたお家に暮らすご家族が
「やっぱりじぶん家が一番!」
と思える大事な要素だと思うんです。。。
葛西 瑞都
2015年7月16日 (木曜日)