「清原の家」 木造の空間をつくること

1月の初め頃に「清原の家」の建て方が行われました。

 
大工さん達が短い時間でどかっと積もる雪と戦いながら、
 
大屋根を組み上げていきます。

遊歩道から見ると建物の半分以上が屋根。。。

野地板という合板を敷くともう屋根の雰囲気がバッチリわかります。
 
遊歩道を歩く人達の視線が屋根を伝って空へ流れていくイメージです。
数日後の縁側の様子。
 
幅は1.7m程で長さは8mもあります。
 
屋根の裏側がそのまま天井。、ヒノキで仕上げています。
 
柱の外側に木製ルーバーが取り付けられて、遊歩道との丁度良い
 
距離感がつくりだされます。次は中へ、、、
内部は吹抜けの大きな空間に柱がスッスッと立ち並んで、
 
それを繋ぐように大小の梁がビュンビュンと現れています。
 
 
 
「清原の家」ではそんな構造材と空間との関係性について
 
僕なりに考えていることがあります。
 
 
一般的な木造住宅は、柱を並べて壁をつくり、梁を繋いで
 
床や屋根をつくっていますが、最終的に石膏ボードで塞いで
 
凹凸の無いキレイな室内にすることで、
 
柱や梁は壁の中や天井裏に隠れてしまいます。
 
 
完成したあとは、建物の根源的な骨組みの存在を
 
感じることはなかなか難しいのですが、
 
この「清原の家」ではそれらがあまり隠れていません。
 
 
1階の柱の上部が梁で繋がれていて2階の床面をつくり、
 
さらに柱を建てて梁で繋いで屋根が乗っているという構成を
 
そのまま感じることができる空間です。
 
柱や梁などの構造材が住む人ととても近い距離感で存在することを、
 
家具や雑貨と等価に、注意深く設計することで実現しようとしています。
2階の渡り廊下は縁側の天井がそのまま室内に続いていて、
 
吹抜けを介して1階とも繋がっています。
 
天井が低めの屋根裏のような空間ですが、3つのトップライトが
 
簡単に手の届く位置にあって、空がとても近い!
 
床はウッドデッキを隙間をあけて並べてラフに仕上げます。
 
 
まだまだ乗り越えなければいけない課題はたくさんありますが、
 
もう今の段階で気持ち良い家になることは間違いない!と
 
ワクワクしながら四苦八苦しております! 
 
 
葛西 瑞都