模型の大きさ。鉢植えの大きさ。建築の大きさ。

仕事中にふと目を移した先に、

 
小さな模型と鉢植えが並ぶ光景がありました。
建築の設計では、よくスケールという言葉が登場します。
 
この模型は1/50という縮尺で作られています。
 
つまり、横幅も奥行きも高さも50倍にすると実物大。
 
本当は毎回1/1の大きさで試作できれば良いのですが、
 
扱いやすい大きさまでムリヤリ縮めて検討の材料にします。
 
この1/50の模型の隣には、当然ですが実物大1/1の植物。
 
 
 
このふたつは別のスケールの世界の物なのですが、
 
そのスケールの差をいったん取り払ってみると
 
面白い事が起こります。
 
方法は簡単で、模型の家の住人になりきってしまうこと。
 
自分の家の隣に、大木が出現する事をイメージするだけです。
 
この模型が1/50であることもこの植物がちいさな鉢植えで
 
あることも忘れて、風景を眺めるように俯瞰してみる。
 
その瞬間、それぞれのスケールの境界を
 
一瞬で飛び越えることができます。
 
 
 
このスケール感の縦断が、建築を考える時に想像の殻を破る
 
きっかけになっていてます。
 
例えばテーブルやベンチを設計する時に
 
木造の骨組みの様な考え方をしたりとか、
 
建物の外観やボリュームを考える時に
 
街並み全体のあり方を参考にしたりとか。
 
 
 
建築ならではのこんなに楽しい想像について考えたこと。でした。。。
 
 
葛西 瑞都