先日お引渡しをした「清原の家」。
なんとか3月の完成に間に合って、建て主さんは春から新居です!
外構工事が終わる前なのにたまらず写真を撮ったのですが、
ここ最近、いやもしかしたら結構前から潜在的に考えていたある
ことに気づきまして、、、それは、僕は内と外の「あいだ」に
すごく興味があるということです。
この「清原の家」では、敷地に隣接している遊歩道と家との
「あいだ」に大きな縁側をつくりました。
室内の様に囲まれているけれど、風は通り抜けるしとても明るい。
そんな空間を内と外のあいだに挟み込むことで、
外からのプライバシーを確保したり、内側の空間の広がりを
感じられるようにと考えました。
ふだん「設計」ときくと、内側のつくりかただけが重要で、完璧な
内部空間をつくることで居心地の良さが決まるイメージが
あるのですが、実は外部とのつながり方がとても大事だと思います。
密閉されずに、上手く開かれた空間をつくりたい。。。
そんな考え方で設計してみると、内でもなく外でもない、「あいだ」の
ことばかり考えているんです。
どうやって繋がろうか? どうやって遮ろうか? なにを取り込もうか?
いつしか僕の意識はパソコンの画面から遠くなって、頭の中で
ああでもない、こうでもないと考える。
なんというか、仕上げの材料に何を使おうかとか、色はどうしようか、
というのはあまり重要ではなくて、
距離感とか、暮らしの広がり方とか、時間や季節の流れとか、
直接は目に見えない所を考えたいんだと思います。
そこが上手くいくと、仕上げとか色は建て主さんが
好きに選ぶのが一番良くて、
空間の根本的な質は変わらずに洗練されていくんだと思います。
そんなことばかり考えているので、
出来上がるプランも何となく言葉では説明が難しいものばかり。
さらに図面にするとまったく意図が伝わらないこともしばしばです。
この「清原の家」も
内と外の「あいだ」に縁側をつくりませんか!?とご提案したときは
きっと建て主さんもイメージするのが難しかったはず。
それでも僕を信頼していただいて、
完成まで毎回お打ち合わせの度に現場の様子に喜んでくれました!
やっぱりこれからも、様々な「あいだ」のことをもっと考えていきたい。
外の環境が厳しい雪国だからこそ、「あいだ」が大事だと再確認する
ことができました!
葛西 瑞都
2017年4月 1日 (土曜日)