完成度の割合

僕はいつも建物と関わるときに考えていることが

あります。毎回色々な人達と出会って、始まりは

ヒアリングから完成まで山あり谷ありで

プロジェクトは進んでいくのですが、

その完成後のオープンハウスでは

「この建物は瑞都さんが全て考えているのですか?」

という風な質問をよく受けます。

設計した側としては

「はい、全て僕が考えて提案しています!」

と言えれば格好いいのかもしれませんが

実は全然違うのです。。。

実質僕の占める完成度の割合は五割位でしょうか?

残りの五割のうち二割は大工をはじめとする

現場の職人さん。こちらがつくりたい空間に

仕上げるために、図面と現場を何度も見比べながら

例え手間が掛かっても休みを削ってまで仕事を

してくれる事もあります。。。

そして残りの三割は建て主であるお客様。

たとえば「ここの壁は外部のテラスと続いている

ように見えると居心地が良いと思うんですが~・・・。」

とお客様に話したときに一緒になって頭をひねって

悩んだ末に、

建て主→「よし、それでいきましょう!!せっかくなら

天井も床もテラスと合わせたいのですが!?」

僕→「外部用の材料なので少しザラザラしてますが?」

建て主→「全っっ然平気です!!」というような、

お互いにワクワクしながら物事がどんどん

決まっていくような過程がとても重要な気がしています。

だから最初のような質問が投げかけられた時に、

「僕が全部考えてつくりました」

とは口が裂けても言えないんです。

なので僕の割合は半分です。

十一月二日と三日のオープンハウスでは、

そのような僕とお客様、もしくは僕と現場の

職人達との過程を想像しながら

見学していただければと思います。

今後オープンハウスを行う予定の住宅模型も

展示しますので、たっぷり時間をかけて過ごして

いただければ嬉しいです。

葛西 瑞都