わざわざ手仕事でつくる良さ。

「高田の家」では現在フローリング敷きの

真っ最中です。今回はカバ桜という木の

フローリングなのですが、リビングをはじめ

数ヶ所に床用のコンセントがあります。

既製品のフロアコンセントといえば

ステンレスとかのツルツルした素材で

つくられた物がほとんどなのですが、

リビングなどの人がくつろぐ空間には

あまりそぐわない見た目だし、手触りも

硬くて冷たいし、何だか事務室みたいな

無機質さが嫌だなぁと思っていました。

 

そこで、フローリングがそのままカパッと

外れて、内部にコンセントボックスが

仕込まれているデザインはどうだろう?と

お客様と大工とに相談して、手間を掛けて

つくってもらいました。

本当に言われないと分からないくらい、自然に

つくられています。

あとはフタになっているフローリングに指を

掛けたり配線を通すためのかわいい孔を

あけて完成です。無垢材の木目がそのまま

繋がっていること、段差が全く無いことで

未使用時には存在を忘れられるくらいの

ささやかな存在感です。

目をひくデザインだけではなく、目に付かない

デザインを考えてみること。それをわざわざ

手仕事でつくることの良さがあると思っています。

葛西 瑞都