黒い土間床。

ここ最近毎日のようにブログを書いて

いますが、いよいよ「旭ヶ丘の家」の

オープンハウスが目前です。

最後の工程として、およそ8m×1.6mの

土間の仕上げが行われました。

今回は靴を脱いで歩き廻る土間なので

灰色のモルタル仕上げではなく、

もう少し落ち着いた仕上がりを目指しました。

ということで使うことになったのが墨を混ぜた

モルタルで仕上げる「墨モルタル仕上げ」

という、黒い土間床です。

 

 

まずはコンクリート土間の上に下地となる

モルタルを敷きこみ・・・

その下地が乾ききる直前に仕上げ用の

墨入りモルタルを敷いていきます。

使うのは「京の黒土間」というもので、

京都にある昭和元年創業の建材屋さんから

取り寄せました。

ただモルタルに墨を混ぜているだけではなく、

乾燥後に表面が粉っぽくならないように

白華防止剤というものが同封されていたり、

長年掛けて各々の成分がちょうど良いバランスで

配合されたりしているそうです。

仕上がりはバッチリでした!

何だか黒い一枚岩のような、このお家に

ピッタリの質感です。

(乾くともう少し褪せた黒色になるそう!)

 

嬉しかったのは、担当した左官屋さんが

少しでも表面の凸凹を無くするように、

夜遅くまでコテで均してくれたときのこと。。。

 

「他の職人がここまで仕上げておいて、

自分たちだけ中途半端な仕事はでぎねぇべよ。」

 

と、熱~い一言をくれたこと。感無量です!

作業が終わって時計を見ると23時30分!

こんな気持ちの入った墨モルタルはもう、

最高以外の仕上がりになるはずないよなぁ・・・。

いつにも増してコッテリ仕上がった「旭ヶ丘の家」。

色々な人が集まって、つくった事のない空間を

1からつくるのだから、思い通りにいかないことが

あったり、小さな間違いや手直しや、新たな発見が

あったりしました。というかその連続でした。。。

 

いよいよ明日はオープンハウス。。。

偉い建築家の人はよく、

「自分の建築を自分で語るほど、強引に感じ方を

押し付けるようで良くない!」といいますが、

恥ずかしながら話したいことがたくさんあります。

 

例えば小さなウォークインクロゼットについて。

例えば床の仕上げについて。

例えば家具について。

例えばこの家の成り立ちについて。

例えば暮らすご家族の人柄について。

例えば職人さんの頑張りについて。

ご来場、お待ちしております!

 

葛西 瑞都