「下牡丹森の家」は大鰐町の、のどかで
のんびりとした場所に建築中の住宅です。
ご夫婦とまだ小さな男の子(将来はもっと増えるかも)や
親御さん達と合わせて7人家族。
初めから僕の設計で一番大事なことは、
家族みんなが自室にこもってしまうのではなくて、
無理なくワイワイ楽しめる
大らかな空間を考える事でした。
とても単純なことですが、小さな部屋を
たくさんつくるよりは大きなワンルーム
空間にして、そのなかで家族同士がちょうど良い
距離感や居場所を見つけられるように・・・。
その大きなワンルームの真ん中には
どっしり太い大黒柱を建てて、その柱を
中心に何となく向こう側とこちら側の距離感を
つくる一方で、大黒柱を中心とした
求心力の様な一体感が生まれると考えて、
設計が始まりました。その途中で建て主さんから
「柱は丸太の様な丸い柱が好きです。
子供が抱きついたりできるから。」
というお話があってこのお家の大きな骨格が
決まっていきました。
さて骨格の次は表層の部分ですが、
外観からインテリアまで建て主さんと
共有しているイメージは「普通」である事です。
もし建築業界にも流行みたいなものがあるなら、
そうではなくて普遍的な方が合っているので、
なるべく普通に・・・。
建て主さんご夫婦が、静かな物腰で話す
この「普通さ」というのは、激安坪単価
○○万円!の建売住宅の様な「普通さ」
ではなくて、建て主さんだけに似合う、
手間ひまかけたオーダーメイドの空間。
奇抜さは無いけれど、平凡ではない感じ。
「普通」に気持ち良い空間のことを考え
ています。
葛西 瑞都
2014年10月 2日 (木曜日)