「下牡丹森の家」のこと。

「下牡丹森の家」は大鰐町の、のどかで

のんびりとした場所に建築中の住宅です。

ご夫婦とまだ小さな男の子(将来はもっと増えるかも)や

親御さん達と合わせて7人家族。

初めから僕の設計で一番大事なことは、

家族みんなが自室にこもってしまうのではなくて、

無理なくワイワイ楽しめる

大らかな空間を考える事でした。

とても単純なことですが、小さな部屋を

たくさんつくるよりは大きなワンルーム

空間にして、そのなかで家族同士がちょうど良い

距離感や居場所を見つけられるように・・・。

その大きなワンルームの真ん中には

どっしり太い大黒柱を建てて、その柱を

中心に何となく向こう側とこちら側の距離感を

つくる一方で、大黒柱を中心とした

求心力の様な一体感が生まれると考えて、

設計が始まりました。その途中で建て主さんから

「柱は丸太の様な丸い柱が好きです。

子供が抱きついたりできるから。」

というお話があってこのお家の大きな骨格が

決まっていきました。

さて骨格の次は表層の部分ですが、

外観からインテリアまで建て主さんと

共有しているイメージは「普通」である事です。

もし建築業界にも流行みたいなものがあるなら、

そうではなくて普遍的な方が合っているので、

なるべく普通に・・・。

建て主さんご夫婦が、静かな物腰で話す

この「普通さ」というのは、激安坪単価

○○万円!の建売住宅の様な「普通さ」

ではなくて、建て主さんだけに似合う、

手間ひまかけたオーダーメイドの空間。

奇抜さは無いけれど、平凡ではない感じ。

「普通」に気持ち良い空間のことを考え

ています。

葛西 瑞都