弘前市の早稲田に、完成済みや進行中の
模型を展示したギャラリーがあります。
元々小さなスペースの中に大きな模型が
ゴロゴロと並んでいて、
ずいぶん前から飽和状態。
![](https://mizuiro-architects.com/wp-content/uploads/2019/10/20150301.jpg)
![](https://mizuiro-architects.com/wp-content/uploads/2019/10/20150302.jpg)
少しずつ藤崎町の本社に送ったりしながら
やりくりしている状態です。
そんなギャラリーで仕事をしているのですが、
たまにふらっと見学に来てくれる人がいます。
その中の、先日初めて来て下さったご家族との
会話の中で少し発見したことがあります。
いつも通りひとつひとつの模型について、
こういう建物になった経緯や理由などを
説明していたのですが、
その時、不意に
「こんなリアルな展示場初めてです」
と言われました。
はて、リアルとはどういうことかな??
![](https://mizuiro-architects.com/wp-content/uploads/2019/10/20150303.jpg)
![](https://mizuiro-architects.com/wp-content/uploads/2019/10/20150304.jpg)
よくよく考えてみると、
通常住宅の展示場というのは
見学する人に向けて全ての展示物が作られています。
写真や実物を展示して、
「こんなキッチンいかがですか?」
とか、
「このインテリア、格好良いでしょ?」
みたいなことを、なるべくリアルに
表現しています。
建てる家の未来像について、
こんなに素敵な家が建ちますよ!
というのが一般的だと思います。
![](https://mizuiro-architects.com/wp-content/uploads/2019/10/20150305.jpg)
それに比べると、こちらで展示している
模型達はほぼ全てが過去に造られた
実物と同じものです。
![](https://mizuiro-architects.com/wp-content/uploads/2019/10/20150306.jpg)
工事前に建て主さんとイメージを
共有するために製作して、自宅に
持ち帰ってもらいじっくり眺められ、
試行錯誤の役に立ったリアリティがあります。
たまにコーヒーの染みとか付いてたりして(笑)。
![](https://mizuiro-architects.com/wp-content/uploads/2019/10/20150307.jpg)
一般的な展示と決定的に違うのは、
それぞれの模型が過去の家づくりの様子を
伝えていることです。
よくよく考えてみると、ここで伝えたいのは
僕たちの家づくりに対する考え方とか、
建て主さんとの付き合い方みたいなもの
かもしれません。
表面上のココがカッコいいとか、
ココがかわいいとかを話すよりも、
内側に潜む、ココを決めるのに
みんなで悩んで苦労した!とか、
ココは子供の本能に委ねた!とか、
そこかしこにまつわるお話の方が面白いと
感じることもよくあります。
多分、家づくりを楽しむ秘訣のひとつは
「楽しく悩む」こと。それを考える時に、
今まで他の人達がどういうことで
楽しく悩んでいたかを垣間見られるこの展示は、
結構大きな意味があるかもしれないなぁと
感じる小春日和でありました。
![](https://mizuiro-architects.com/wp-content/uploads/2019/10/20150308.jpg)
![](https://mizuiro-architects.com/wp-content/uploads/2019/10/20150309.jpg)
葛西 瑞都
2015年3月17日 (火曜日)