カメレオンの様な扉。

現在仕上げ工事の真っ最中の「旭ヶ丘の家」

ですが、ちょっと面白い建具があります。

テーマは擬態。

一つ目はこの木製の壁面に造られた小さな扉です。

壁面にいきなり切れ込みが入って、カパッと

開いてしまうようなイメージ。

ブロンズの小さな取手と蝶番が付いています。

中にはインターホンのモニターと玄関ドアの

施錠を遠隔で操作するリモコンが仕込まれています。

こんなメカニックな物が丸見えにならないよう、

大工さんにひと頑張りしてもらいました。

 

そしてもうひとつは、キッチン背後のデコボコした

木製の壁面に造られた2つの扉です。

こちらの扉にはもはや取手すら無く、

壁の一部分がペコッとへこんでいるだけ。

これでも、ちゃんとした扉なのです。

左の扉はトイレやお風呂などの水廻りへ。

右の扉は食品庫へ続いています。

この壁面には大きな目地が入っているのですが、

壁面の目地と建具の目地がピタッと揃っています。

(本当に素晴らしい職人技!)

その目地に指を掛けて扉を開ける。。。

感覚としては、扉を開けるというよりも

壁をずらしているような、不思議な感じです。

元々この扉は「扉」っぽくないように、「壁」っぽく

造ることを考えてはいましたが、現場で実物として

実現させてしまう職人さんは本当に凄いです。

特に今回は、壁材を張る大工さんと、建具を造る

建具屋さんとの協力による合作!

見事な擬態が完成しました。

以上、カメレオンの様な2種類の扉のご紹介でした!

 

葛西 瑞都