伝わる写真。

つい先日、今年の3月にお引渡しをした「清原の家」に

 

雑誌用の写真撮影でお邪魔してきました!

 
撮影をお願いしたのは「旭ヶ丘の家」や「桜川の家」、最近では
 
兄の瑞樹が担当した「久井名舘の家」でもお世話になった
 
次元fotograflarの今井さん。
 

!!

な、なんて良い写真なのでしょうか!
 
特に僕のお気に入りは1枚目。
 
このアングルは敷地に隣接する遊歩道から
 
撮影されています。
 
 
この遊歩道は近隣の人が通学や散歩に行き来する
 
通りなのですが、元々小さな原っぱだったこの敷地に
 
建物が建つことで圧迫感が生まれないように、
 
高さはなるべく抑えて、視線が屋根を伝って空へ抜けるように。
 
そんな風に考えていたことが上手く表れていました!
内部は自然光に溢れた開放的な空間で、木造の躯体が
 
インテリアと楽しそうに混ざっていました!
奥様の一番のお気に入りがキッチンからの眺めだそうで、
 
縁側のルーバー越しに遊歩道の景色が透けています。
 
 
内側からは見えるけど、外側からは見えない空間。
 
カーテンがいらないので、外の明るさと内の明るさが
 
あまり変わらないのが一番の特徴であり、
 
一番写真で伝えたい所でした。 、、、良く撮れてます!
 
さて次は2階へ。 
実はこの渡り廊下、個人的に一番好きな場所です。
 
なんというか、多分、壁も天井も、天窓の空も、光も、下階の家族とも
 
近いからでしょうか?
 
ふだんは無駄だからってなるべく小さくしたいただの廊下とは何かが
 
違います。多分。絶対。
 
家族全員の個室がこの廊下に面していて、朝起きたらみんなが
 
「朝日まぶし~!」って言いながらとぼとぼ歩く感じが目に浮かびます。
 
とにかくこれも良い写真!
 
雑誌の発売は来年ですが、今から楽しみです!
 
 
葛西 瑞都
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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「高屋の家」と「矢田前の家」の外観

なんと前回の書き込みから3ヶ月ぶりとなってしまいました!

 
最近ホームページに登場した「高屋の家」と「矢田前の家」、
 
これから工事が始まる建物はまだ他にもあるのですが、
 
ちょうど同じ位のタイミングで始まったこともあって
 
個人的に比べて考える部分も多いのですが、今回は
 
この2つの住宅の外観について書いてみたいと思います!
 
 
まず「高屋の家」から。
この住宅は新しく開発された分譲住宅地に建つ平屋の建物です。
 
平屋といっても全体が大きな片流れ屋根なので、
 
一番高い所で5m位。
 
標準的な2階建てよりも0.5階分くらい低く抑えています。
 
南側接道なので、開放的な日当たりや風通しの確保と同時に
 
プライバシーの守られた空間にする事が課題でした。
 
最終的には建物の南側に吹抜けの半外部空間をつくり、
 
幅3m、高さ4.2m程の住宅としては巨大な片引き窓を
 
設けることになりました。
 
この大きな窓には視線を遮りながらも光を柔らかく拡散する
 
スリガラスが嵌め込まれ、締め切っていてもとても明るい
 
サンルームの様な空間になります。
 
開け放つと全面が外気に開放されてテラスの様に外部化され、
 
日の光や風を直接取り込むことができます。
 
「窓を開ける」という、とても日常的な動作で、間取りや環境ごと
 
コントロールしようとしている住宅です。
 
 
 
 
次に「矢田前の家」。
市街地のゆったりと大きな敷地に建つ、
 
3世代のご家族が住む住宅です。
 
家族が多いので必然的に部屋数も必要な広さも増えるとともに、
 
道路のある南側に充分な窓を設けて
 
たっぷりと日の光を入れたいというご希望がありました。
 
ご家族の人数や床面積などは全く違うものの、「高屋の家」と
 
近似的な課題でした。
 
そこで検討したことは、「部屋と窓の配置」です。
 
この「矢田前の家」では主要な居室が南側に並列し、
 
相似形のサッシや開口が整列する外観とすることで、
 
何の部屋がどこにあるのか、どこまでが何の部屋なのかを
 
徹底的にわかりにくくしようとしています。
 
間取りが表れない外観にすることで
 
生活のプライバシーを確保しようとしています。
 
 
 
 
2つの住宅の外観について、考えたことを書いてみました。
 
一般的に外観というと、外壁の色や素材なんかの表層的な所が
 
対象になることが多いと思いますが、個人的にはその表層的な
 
部分よりも、もっと根っこの部分が気になります。
 
僕が好きな建物の外観は必ずといっていいほど
 
建物の根幹的な成り立ちや思想が外側に自然に表れていて、
 
いつもそんな外観を目指して設計していると思います。
 
 
葛西 瑞都
 
 
 
 
 
 
 
 

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リビングの向こうには満開の桜。

つい先程、「桜川の家」の建て主さんから

 
とっても素敵な写真が届きました!
「絶対に桜の季節にお邪魔しますから!」と前々から
 
お話していたのに、いざ連休前になると中々時間が
 
つくれない僕が、設計時から夢にまで見ていた光景です!
 
街と屋内との間につくったテラスによって、生活の意識が
 
ゆるりと外まで繋がっていく感じ。
 
 
 
なんだか、リビングからふとこんなに素敵な景色が楽しめるなら、
 
春はどこにも出掛けなくても良いなぁなんて思っちゃいますね。。
 
たくさんの元気を充電させていただいて、ありがとうございました! 
 
 
葛西 瑞都
 
 

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模型の大きさ。鉢植えの大きさ。建築の大きさ。

仕事中にふと目を移した先に、

 
小さな模型と鉢植えが並ぶ光景がありました。
建築の設計では、よくスケールという言葉が登場します。
 
この模型は1/50という縮尺で作られています。
 
つまり、横幅も奥行きも高さも50倍にすると実物大。
 
本当は毎回1/1の大きさで試作できれば良いのですが、
 
扱いやすい大きさまでムリヤリ縮めて検討の材料にします。
 
この1/50の模型の隣には、当然ですが実物大1/1の植物。
 
 
 
このふたつは別のスケールの世界の物なのですが、
 
そのスケールの差をいったん取り払ってみると
 
面白い事が起こります。
 
方法は簡単で、模型の家の住人になりきってしまうこと。
 
自分の家の隣に、大木が出現する事をイメージするだけです。
 
この模型が1/50であることもこの植物がちいさな鉢植えで
 
あることも忘れて、風景を眺めるように俯瞰してみる。
 
その瞬間、それぞれのスケールの境界を
 
一瞬で飛び越えることができます。
 
 
 
このスケール感の縦断が、建築を考える時に想像の殻を破る
 
きっかけになっていてます。
 
例えばテーブルやベンチを設計する時に
 
木造の骨組みの様な考え方をしたりとか、
 
建物の外観やボリュームを考える時に
 
街並み全体のあり方を参考にしたりとか。
 
 
 
建築ならではのこんなに楽しい想像について考えたこと。でした。。。
 
 
葛西 瑞都
 
 
 
 
 

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「清原の家」の完成写真

「清原の家」の完成写真をホームページにて

 
紹介しております!
 
いつも写真を多く撮りすぎてしまうので、ホームページに
 
載せきれなかった写真を何枚か。。。
来年の2月頃に発売する雑誌に掲載されるため、
 
今度プロの方に改めて撮影してもらいます!
 
建築としての美しい写真も望ましいけど、
 
どちらかというと楽しそうな暮らしの様子と建築が上手く
 
混ざり合っている感じが良いなぁ。。。
 
新築なのでたぶん色々難しいけれど、今から楽しみです!
 
 
葛西 瑞都
 
 
 
 
 
 
 
 

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新規スタッフを募集しています!

現在ムツホームでは新規スタッフを募集しております。
 
進行中のプロジェクトは専用住宅をはじめ
 
ヘアサロンがある併用住宅やカフェなど多岐にわたり、
 
工事内容も新築だけではなく改修やリノベーションなど様々です。
 
 
 
担当していただく主な業務内容は
 
建築設計及び監理・現場管理となります。
 
長期的に働いていただける方、設計監理の実務経験者、
 
有資格者の方は優遇いたします。
 
また未経験でも意欲と熱意のある方は歓迎いたします。 
 
 
 
採用人数:若干名
 
採用時期:随時。すぐに働ける方歓迎いたします。
 
休日休暇:日曜日、祝祭日、夏期休暇、年末年始休暇
 
給  与:能力・実務経験により応相談、社会保険
 
勤務場所:本社(藤崎町)
 
応募方法:当社ホームページのContactページ内からお申し込み下さい。
 
 
 
 
と、、、ここまでが社内で話し合って書くと決めた募集内容です。
 
後日にホームページ内で正式に募集ページを公開するのですが、
 
このブログではせっかくなのでもう少し突っ込んだお話を
 
したいと思います。。。
 
 
 
 
僕の考える「こんな会社で働いてみたい!」の条件について。 
 
僕はこの会社に入社する前、建築の設計事務所を転々と
 
していました。ご多分にもれず就職活動には苦労した側だと
 
思いますが、そんな僕でも譲れない条件がありました。
 
それは、「自分の意見をいきいきと言える場であること」です。
 
 
 
言われた事をそのままこなすだけの仕事はどうしても
 
やりがいが感じられなかったし、僕が働いてみたい!と
 
思った事務所はどこもトップダウン式の命令ではなく、
 
みんなでワイワイ意見を出し合うような空気感がありました。
 
 
 
幸い建築の設計という仕事は、アイディアはいくらあっても
 
充分ということはないので、自分の考えを言える環境は
 
大事だと思います。まだまだ未熟な今と比べても
 
さらにヒヨっこだった僕が、たとえ小さなアイディアひとつでも
 
採用された時には本当に嬉しかった。
 
なので、新規スタッフにはたとえ知識や裏付けがなくても
 
どんどん発言して欲しいと思うし、
 
そんな事務所でありたいと思います。
 
 
 
建築をつくることは、料理みたいに事前に試作したり味見したりが
 
できない、一発勝負です。しかも完成までの道のりはとっても
 
長いし、困難でストレスフルなこともたくさんあります。
 
でも、その建築が愛着を持って使われていることは
 
変えがたい幸福感があるし、変えがたい経験だと思います。
 
 
 
一緒に楽しく働いてくれる方、ご連絡お待ちしております!
 
 
葛西 瑞都
 
 
 
 
 

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「あいだ」のことを考える。

先日お引渡しをした「清原の家」。 

 
なんとか3月の完成に間に合って、建て主さんは春から新居です!
外構工事が終わる前なのにたまらず写真を撮ったのですが、
 
ここ最近、いやもしかしたら結構前から潜在的に考えていたある
 
ことに気づきまして、、、それは、僕は内と外の「あいだ」に
 
すごく興味があるということです。
 
この「清原の家」では、敷地に隣接している遊歩道と家との
 
「あいだ」に大きな縁側をつくりました。
室内の様に囲まれているけれど、風は通り抜けるしとても明るい。
 
そんな空間を内と外のあいだに挟み込むことで、
 
外からのプライバシーを確保したり、内側の空間の広がりを
 
感じられるようにと考えました。
ふだん「設計」ときくと、内側のつくりかただけが重要で、完璧な
 
内部空間をつくることで居心地の良さが決まるイメージが
 
あるのですが、実は外部とのつながり方がとても大事だと思います。
 
密閉されずに、上手く開かれた空間をつくりたい。。。
 
そんな考え方で設計してみると、内でもなく外でもない、「あいだ」の
 
ことばかり考えているんです。
 
 
 
どうやって繋がろうか? どうやって遮ろうか? なにを取り込もうか?
 
 
 
いつしか僕の意識はパソコンの画面から遠くなって、頭の中で
 
ああでもない、こうでもないと考える。
 
なんというか、仕上げの材料に何を使おうかとか、色はどうしようか、
 
というのはあまり重要ではなくて、
 
距離感とか、暮らしの広がり方とか、時間や季節の流れとか、
 
直接は目に見えない所を考えたいんだと思います。
 
そこが上手くいくと、仕上げとか色は建て主さんが
 
好きに選ぶのが一番良くて、
 
空間の根本的な質は変わらずに洗練されていくんだと思います。
 
 
 
そんなことばかり考えているので、
 
出来上がるプランも何となく言葉では説明が難しいものばかり。
 
さらに図面にするとまったく意図が伝わらないこともしばしばです。
この「清原の家」も
 
内と外の「あいだ」に縁側をつくりませんか!?とご提案したときは
 
きっと建て主さんもイメージするのが難しかったはず。
 
それでも僕を信頼していただいて、
 
完成まで毎回お打ち合わせの度に現場の様子に喜んでくれました!
 
 
やっぱりこれからも、様々な「あいだ」のことをもっと考えていきたい。
 
外の環境が厳しい雪国だからこそ、「あいだ」が大事だと再確認する
 
ことができました!
 
 
葛西 瑞都
 
 
 
 
 

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「清原の家」の近況とオープンハウスのご案内

建て主さんのご厚意により、弘前市の「清原の家」の

 
オープンハウスを開催することになりました!
 
現場は大工さんが四苦八苦しながらも着々と進行中で、
 
今回は僕のお気に入りの空間である渡り廊下について
 
時系列の写真でご紹介します!
 
初めはまだ屋根の骨組みの状態。

気密シートが貼られ、、、

断熱材が吹き込まれています。
 
屋根の大きな建物なので屋根面の断熱は特に重要です。

石膏ボードが張られるとかなり空間として感じられるようになりました。

3つあるトップライトはそれぞれ3本の柱の正面に配置されています。

そして天井にシナベニヤが張られました。
 
外に見える縁側の天井がそのまま内部へスッと繋がっていて、
 
視線も天井を伝って自然に外へと繋がっていきます。
 
面白い発見がありまして、トップライトによって柱が照らされて、
 
柱付近の天井面が光っていますね!
 
昼間だけに現れる自然の間接照明です。
床にウッドデッキ材が敷かれ、、、
 
後は手摺をつくって大工工事は完了です!
渡り廊下を下から見上げるとウッドデッキがズラッと並びます。
 
 
 
言葉で説明するのが難しいのですが、なぜか僕はこの渡り廊下に
 
魅かれています。現場に行くたんびに理由を考えているけれど。
 
最近の仮説は、この空間は色んなものが近いから。です。
 
2階なのに居間にいる家族と近い。
 
建物の主役である屋根と近い。
 
トップライトのおかげで空とも近い。
 
少し視線を落とすと縁側が近い。
 
ただの移動空間なのに、この建物の良い所を一気に体感できる
 
ような贅沢さがあるように思います。
 
3人の子供達も、きっとこの廊下は大好きに違いない。。。
 
 
 
おまけになりますが建築の一部としてつくったダイニングテーブルも。
1m×1.5mの大きな天板で、柱に取り付けているので脚がありません。
 
天板の下では大工さんが黙々と作業中。

子供が頭をぶつけそうな角は少しまぁるく。

初めは妄想だった、脚を立てないようにしたいという僕の妄想が
 
 
大工さんの知恵と経験を大いに借りてなんとか完成できました。
 
仕上がりはとてもシンプルですが見えないところで色々と
 
細工されたお気に入りの家具です。
 
 
 
さてそんな「清原の家」のオープンハウスですが、
 
3月の18日(土)と19日(日)の2日間行います!
 
近日中に詳しくご案内しますがホームページ上では
 
住所や地図を公開しないため、見学をご希望の方は
 
お電話やメール等いただければと思います。
 
 
さてこれから現場は終盤、完成が楽しみです!
 
 
葛西 瑞都
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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「清原の家」 木造の空間をつくること

1月の初め頃に「清原の家」の建て方が行われました。

 
大工さん達が短い時間でどかっと積もる雪と戦いながら、
 
大屋根を組み上げていきます。

遊歩道から見ると建物の半分以上が屋根。。。

野地板という合板を敷くともう屋根の雰囲気がバッチリわかります。
 
遊歩道を歩く人達の視線が屋根を伝って空へ流れていくイメージです。
数日後の縁側の様子。
 
幅は1.7m程で長さは8mもあります。
 
屋根の裏側がそのまま天井。、ヒノキで仕上げています。
 
柱の外側に木製ルーバーが取り付けられて、遊歩道との丁度良い
 
距離感がつくりだされます。次は中へ、、、
内部は吹抜けの大きな空間に柱がスッスッと立ち並んで、
 
それを繋ぐように大小の梁がビュンビュンと現れています。
 
 
 
「清原の家」ではそんな構造材と空間との関係性について
 
僕なりに考えていることがあります。
 
 
一般的な木造住宅は、柱を並べて壁をつくり、梁を繋いで
 
床や屋根をつくっていますが、最終的に石膏ボードで塞いで
 
凹凸の無いキレイな室内にすることで、
 
柱や梁は壁の中や天井裏に隠れてしまいます。
 
 
完成したあとは、建物の根源的な骨組みの存在を
 
感じることはなかなか難しいのですが、
 
この「清原の家」ではそれらがあまり隠れていません。
 
 
1階の柱の上部が梁で繋がれていて2階の床面をつくり、
 
さらに柱を建てて梁で繋いで屋根が乗っているという構成を
 
そのまま感じることができる空間です。
 
柱や梁などの構造材が住む人ととても近い距離感で存在することを、
 
家具や雑貨と等価に、注意深く設計することで実現しようとしています。
2階の渡り廊下は縁側の天井がそのまま室内に続いていて、
 
吹抜けを介して1階とも繋がっています。
 
天井が低めの屋根裏のような空間ですが、3つのトップライトが
 
簡単に手の届く位置にあって、空がとても近い!
 
床はウッドデッキを隙間をあけて並べてラフに仕上げます。
 
 
まだまだ乗り越えなければいけない課題はたくさんありますが、
 
もう今の段階で気持ち良い家になることは間違いない!と
 
ワクワクしながら四苦八苦しております! 
 
 
葛西 瑞都


 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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