家具や小さな雑貨に紛れるくらいの
存在感がちょうど良いです。
葛西 瑞都
雑誌などで平面プランを眺めていると、
キッチンスペースにはキッチンが、
ダイニングスペースにはダイニングテーブルが
描いてあります。当然ですけど。。。
でも最近少し違和感を感じるのは、
リビングのソファセットとテレビ。
まるでテレビを観る為のテレビルームで
あるかのような家具の配置が気になります。
「家族みんなでテレビを観るのが楽しみです。」
というご家族は別ですが、あくまでも家族同士が
みんなで楽しくくつろぐことが大事で、テレビは
オマケみたいなもので充分だと思います。
家具や小さな雑貨に紛れるくらいの
存在感がちょうど良いです。
葛西 瑞都
2011年6月 9日 (木曜日)
住宅に限らず、建築に限らず、
ものづくり全般的に好きなんですが、
それでもやっぱり集める雑誌は
住宅雑誌が中心になります。
(↑机の後ろに積んだカラーボックス本棚)
雑誌に掲載されている住宅を見ていて、
・う~ん、あんまり興味ないな。
・お!楽しそう!
と大きく分けて2種類位の感想になります。
「土地は見晴らしの良い高台や、都市の一等地に
建つ、坪単価が分からないほど高価で素敵な住宅」
というような住宅は僕にとってリアリティが無くて、
どちらかというと、
「土地は狭小で、旗竿状。予算に余裕は無いけれど、
設計者の工夫と建て主の人柄が伝わる小さな住宅」
みたいな住宅が好きです。予算に余裕のあるお客さん
なんていませんから、とてもリアリティを感じます。
そんな住宅の掲載写真に家族が写っていたり、
楽しそうな生活の様子が伝わってくるものだと最高です。
そんな住宅雑誌ばかり読んでいます。
葛西 瑞都
2011年5月30日 (月曜日)
弘前市の実業高校正門の向かいに、
「CUT BOX 954」という理容室があります。
駐車スペースの不便が理由で移転することになり、
現在設計が進んでいます。移転先は弘前市泉野。
敷地は大手のレンタルビデオ店に隣接していて、
人通りが多い環境です。
普通ならそんな賑やかな店舗の方にバン!と
大きな開口をつくってインパクトのある外観に
したくなるところですが、そういう佇まいには
したくありませんでした。
あまり店内が見えすぎていると、店内にいる
人が落ち着かない空間になってしまう気が
していました。
なので、理容室とレンタルビデオ店との間に
壁をつくって建物の足元を隠しています。
理容室と壁の間はテラスになっていて、
店内へのアプローチを兼ねています。
開口部は低く抑えて、向こう側の
レンタルビデオ店が目に入りにくいように。
そのかわり、内部空間はテラスを含めて
実際以上の広がりを感じられるように。
床面積は限られているけれど、外側に壁を
一枚つくることで、中に居るときにテラスを
内部空間のように感じられれば、広がりのある
開放的な空間として感じられると考えました。
でも、実際にはテラスは外部なので、小さな
ギャラリーのような使われ方になる予定です。
ギャラリーというと少し固い感じがしますが、
夏にはサーフィンの板を立てかけたり、
冬にはクリスマスツリーを飾ったり、
奥様が植物を置いたり、
ご主人がバイクを置いたり。
たまに家族みんなでバーベキューも
したり、好きに使える空間です。
そんなテラスがあることで、
来店するお客さんが毎回訪れるのが楽しみに
なるようなお店になればと思っています。
そんな楽しそうな雰囲気が少しずつ壁の向こう側へ
あふれ出していくといいなぁ。
たくさんの人に訪れてもらって、その人達に
「なんだか楽しげなお店ができたなぁ」と
感じてもらえて記憶に残ったとき、このお店は
街の「小さなランドマーク」になるはずです。
「繁盛すること」とは別に、近所の親子連れや
おじちゃんが自然に集まっておしゃべりしたり
できるような居場所になればいいなぁと思います。
葛西 瑞都
2011年5月27日 (金曜日)
3月に引渡しをした「水木の家」に伺って、
庭に植える植栽を選びに「藤崎造園」さんに
行ってきました。
建て主のご家族は庭のつくり方に対して
とても思い入れがあって、
「半分くらいは畑に使って、
もう半分は庭木を植えるスペースに。」
とか、
「息子が欲しがっていたシラカバの木は、
ダイニングから良く見えるところに。 」
とか、お話を聞いているだけで気分が
盛り上がってしまいます。
というわけで、ご主人のご両親も一緒に
「藤崎造園」へ。
高さ4m位のシラカバを購入しました。木本体の
値段が1万2千円くらい。思ったよりずっと安くて
びっくりしました。形の良い木があって良かったです。
「庭造り」というと少し気構えが必要な気が
してしまいますが、
「好きな植物を好きな場所に植える。」
ということだと思います。
楽しむことが一番大切です。
葛西 瑞都
2011年5月17日 (火曜日)
先日完成して引渡しをした「常盤の家」に
伺ってきました。僕がいつも気になるのは、
設計したときに考えていた生活スタイルと
実際のSさんの暮らしとは、どんな風に
違うかな?ということです。
少しドキドキしながらインターホンを押すと、
「よっ!久しぶり!!」と上のお姉ちゃん。
玄関を入ってすぐに居る石で出来たフクロウ。
(Sさん家族はフクちゃんと呼んでいました。)
いやぁ~、良い家になっていました!
植物や小さな雑貨がそこかしこにあって、
家の中を歩き回るのが楽しい。。。
僕が設計時に考えていた暮らし方なんて一瞬で
飛び越えて、本当に楽しそうに住みこなしてくれて
ました。
2011年5月 8日 (日曜日)
トップページに項目を追加しましたが、
現在事務所にてお手伝いしにきて
いただける方を募集中です。
だいたいの作業内容は模型や
CGパースの作成になりますが、
現場を見に行ったりお客様との
打合せに参加していただくかも、です。
実務経験は無くてもかまいませんので、
お気軽にご連絡下さい。
葛西 瑞都
2011年5月 7日 (土曜日)
完成したお家のオープンハウスなどではよく、
「ムツさんの住宅は変わってて素敵ですよね~!」
って言われます。スキップフロアになっていたり、
間仕切りが極端に少なかったり、様々ですから。
でも、当の本人であるお客様と僕達にとっては、
全然変わっている住宅ではないんです。
例えば写真の「水木の家」は、
小さな空間をたくさんつくって、
小さな段差で仕切っています。
小さな子供からおじいちゃんおばあちゃんまでが
一緒に暮らす家だから、いつも繋がっているけど
たまにはひとりになれるような距離感をつくる段差。
ダイニングも小上がりで掘り炬燵の様な食卓。みんなで
足を下ろして、床に座って食べるご飯はきっと美味しい
ですよねぇ。。。という感じ。
そういう「ふつう」の発想の積み重ねでこの住宅は
出来ています。
そもそも「ふつう」って人それぞれですし、
暮らす人にとってはこの家が「ふつう」。
ただし、「無難」とは一番遠い「ふつう」です。
葛西 瑞都
2011年4月25日 (月曜日)
敷地に対する建物の置き方に興味があります。
車を運転していて新興住宅地に建つ建て売りなんかを
見かけるとがっかりすることが多くて、
「この住宅地、あんまり住み心地良くなさそう、、、」
と思ってしまいます。
ギリギリまで小さく区画された敷地に、隣地境界線ギリギリ
までの家を建てて、
お金に余裕のある人は隣地との境に塀を造って。
それでも少し余った部分はせいぜい駐車スペースか、
物干し竿が狭そうに置かれているくらい。
残った地面にはコンクリートを流して、
草木も生えない、なんというか息が詰まりそうな環境です。
(諸事情あるのはわかりますが。)
だから僕はプランニングの時、土の部分をどう残すか?
ということを考えるようにしています。敷地や建物の大小に
関わらず、街並みに土の部分をどう残すか。。。
家に居ると、窓から見える草木の育ち方が
楽しみになるような。
道を歩いている人も、草木が育つのを待ち遠しく
なるような。つい立ち止まってしまうような。
そんな建物の置き方、余白の残し方。
敷地いっぱいに建物を建てるより、
小さな家をつくって余白をできるだけ残して、
建物が木々に囲まれているような気持ち良さを
味わえたほうが、ずっと開放的でおおらかな
暮らしができると思うんです。
もしも僕が親なら、そんな環境で子供を育てたいし、
もしも僕が子供なら、そんな環境で育ちたいと思います。
すごく個人的な感覚ですが・・・。
葛西 瑞都
2011年4月22日 (金曜日)
ムツホームでは「住んでみたい青森の住宅」という雑誌に、
結構昔から住宅を掲載させてもらってます。
最近では掲載ページの構成も自分たちで手作りしていて、
(出版社に全ておまかせもできるのですが)
プロのカメラマンが撮影した写真のデータを頂いて、
レイアウトや文章構成まで考えます。
さて、その掲載する内容についてのこと。
掲載する住宅は「常盤の家」。
読んでいただいた方にはこの住宅の仕上がりだけではなく、
どちらかというとムツホームの家づくりに対する姿勢?
の様なものを知ってもらいたいなぁと思っています。
写真や平面図、パース、文面を通して建物自体の良さを
伝えるのはある程度簡単なんです。
でも本当に伝えたいのは、そんな家ができるまでの過程。
建て主のSさんが初めに話した、
「いつも家族みんなで居られる家がいいです。」という
言葉から始まって、プランニングへ。毎回みんなで本当に
楽しみながら、また悩みながら打合せをして。。。
少し遠方に住むSさんはほぼ毎週打合せに来てくれて。
そんな住み手と設計の期待に応えるために、
職人さんも本当に頑張ってくれました。(本当に。)
だから、家ができるまでの過程とか、Sさんの人柄とか、
家族同士の仲の良さ(女の子が2人います)とか、
家ができるまでの楽しさ・大変さとか、職人さんの苦労とか、
そういう写真にも図面にも表れないことを伝えたいなぁと、
悩みながら考えています。
でも、当然目にも見えないことをたった4ページで伝えるのは
本当に難しいんです。
掲載ページを読んでくれた人が、
「なにやらムツホームと家をつくるのは、
大変だけど楽しそうだぞ?」
と思ってくれれば、100点なんですが。
あぁ、掲載ページが30ページくらいあればいいのに。
葛西 瑞都
2011年4月17日 (日曜日)