妄想。

当たり前なのかもしれませんが、僕達は色々

な人の居場所のことを考えます。じゃあその

人やそのご家族にとって居心地の良い居場所

のことをどうやって考えるか?

僕の頭の中のことを少しお話しすると、実は

色々な人の中に憑依しています。

と言うと少し不気味ですが、要はその人に

なりきって、色々妄想しています。

その妄想をするためには住む人との会話が

多分すごく重要で、なんとなくこちらとの間に

バリアを張って、距離感のある人の場合は中々

妄想できません。(子供が間に入ってバリア

を軽々と壊してくれる事が多くて助かります)

逆にガバッと心を開いてくれる人の場合は、

普段の生活が目に浮かぶように想像できます。

するとなんとなく設計の内容も変わってきて、

なんというか、味のある中身の詰まった建築

になっていくような気がしています。大切な

のはお互いの心の壁を取り払って、根っこの

部分で対話する事です。そこが上手くいって

いればもう良い家ができたの同然。できるに

決まっているんです。数字や寸法、数値より

もわかりやすい「感覚」を共有しながら、家

づくりができればいいと思っています。

 

・・・となると、僕の仕事は何でしょうか?

妄想が大事な仕事?なんとも不思議ですが、

これからもモンモンと妄想してまいります。

 

葛西 瑞都