オープンハウスを終えて

3月の22・23日に「旭ヶ丘の家」の

オープンハウスが行われました。

天気予報ではもう春だというのに雪マークが

付いていたり、

場所も初めての人にはわかりにくそうだし、

来てくれる人あんまりいなそうだなぁ、

なんて油断していたらた~くさんの人達に

来ていただきまして、本当にありがとうございました!

今すぐにでも新しい家が欲しい人、

まだ具体的な計画は無いけれど

家を見るのが好きな人、

前にムツホームで建てたけど

様子を見にきてくれた人、

ご近所で工事中から

気にしてくれていた人などなど、

百人近い人達に観て頂く事ができました。

 

ほとんどの人達が家族連れでしたが、基本的に

僕がご夫婦とお話している最中、子供は僕なんかの

話を聞いてもつまらないのでふら~っと

お家の探検に出掛けます。

そしてなんだか面白そうな所を発見すると、

「パパ!ちょっと来て!早く!ママも!!」

みたいな感じで呼ばれたりするのですが、

僕はそれが嬉しくてたまらないのです。

子供は気持ち良い場所を探す名人なので、

そんな子供が感じたままの感想を聴けるのは

貴重なことです。

僕の説明の百倍くらい説得力のある

プレゼンをしてくれました。。。

 

家をつくる時には建て主さんからたくさんの

要望を頂きますが、それはあくまでも情報です。

ロボットの様に効率的に、事務的に設計しても

家は建つと思います。

でも、人の心に響くような、感覚に訴えかける

ような空間をつくろうと思うとそうはいかない。

簡単ではありません。

なので、本能のままに表現する子供達が段差

を使って遊んでくれたり、手造りのお風呂で

「ウチのもこれにしたい!」とか言ってくれたり、

思いがけないところで寝転んだりしてくれると、

何とか感覚に訴えかける設計ができたのかなぁ?

と嬉しくなります。

皆様、本当にありがとうございました!

 

ここで、来れなかった人のために

「旭ヶ丘の家」を写真でご紹介します。

長いので覚悟してください!

 

 

玄関を入ると、リビングへ上がる階段と

細長い土間(上足)があります。

↑玄関方向を見る。

↑階段の向こう側、突き当たりにはテラスが見えます。

↑土間は京都から仕入れた天然の墨を

混ぜ込んでいます。左官屋さんの手仕事の

跡が残る、お気に入りの素材感です。

↑ご主人に気に入っていただいた階段下の空間。

壁にはコンセント。

↑土間の黒と階段の黒が上手くマッチしてくれました。

土間は靴下でも滑らないし、足ざわりも良い!

↑土間の奥には主寝室があります。

↓はリビングの様子。

↑そもそもスキップフロアの構成にしたのは、

崖側の景色を様々な環境で眺められるように

したかったからです。リビングからは少し低く、

少し遠くから景色を眺めます。

↑リビングは2階の床面から1m位下がっています。

↑木の壁面に囲まれたくぼみの様なリビング。

ダイニング・キッチンはリビングを

見下ろせる位置にあります。

↑リビングから木製の階段を5段上がって

アプローチします。

↑階段の途中から操作できる位置に小さな扉が

あって、インターホンのモニター等が仕込まれています。

やっぱり小さな扉はかわいい。。。

↑キッチン背面には壁の仕上げと合わせた扉が

あります。食材やキッチン家電を全て隠したいという

ご希望から、食品庫をつくりました。

↑ダイニングからの眺め。

朝ごはんも夜のお酒も絶対おいしい。。。

↑テーブルセットは階段や手すりと合わせて、

鉄で製作しました。

少し重いですが上手くできました。

↑キッチン用に作った家具です。キッチン用品は

全て隠さなければいけない反面、ゴミ箱なんかは

いつも近くに置きたいよなぁ、、、と工事の途中で

気づいてご提案しました。

ゴミ箱を置く引き出し部分は本体から

離れて別個に動かせます。

上部がタイル張りの本体部分もキャスターが

付いていて移動が可能なので、料理中は

自分の好きなように廻りに置いて使います。

パン作りが好きということで、

パン生地をこねる作業台として、

または娘さんがお手伝いをする時に使えます。

↑ダイニングの照明は建て主が選んだブナコです。

↑ダイニングからは木張りのテラスに出られます。

天気の良い日は外でゴハンを食べられます。

↑テラスからの眺め。

↑キッチンの背後の 扉のひとつは水廻りに続いています。

↑1階と2階にある洗面台はどちらもタイル張り。

2階はモコモコしたかわいい白いタイル。

↑1階は青くて細長い、焼き物のタイル。

↑お風呂は2階のテラス越しに景色を

眺められます。

下半分が既製品のハーフユニットバス。 (TOTO)

壁には大工さんが青森ヒバを張りました。

香りが本当に良い!温泉気分に浸れます。

↑オープンハウスでも大人気で、

ひと通り見終わったお父さんが

「やっぱりもう一回!」と何度も見てくれたり、

子供にもお母さんも盛り上がっていました。

↑照明は船舶用のマリンランプ。

 

ここでもう一度リビングへ。リビングの奥には

将来2部屋に仕切って子供部屋にする

サブリビングがあります。

↑扉を閉めてリビングと仕切った状態。小さな

舞台のような空間が生まれます。

↑扉を開けてリビングと一体的に使える状態。

↑サブリビングに造ったキャスター付きの棚を

移動させて2部屋に仕切ることが出来ます。

面白いと思ったのは、棚の位置によって

広い部屋と狭い部屋をつくれること。

ご夫婦だけの暮らしになっても空き部屋にならず、

使い方に制限が無いのが良いです。

 

さて次は1階へ。

↑リビングの下には天井が低くてほの暗い、

ウォークインクロゼットがあります。

家族兼用なので廊下と主寝室から出入りできます。

(子供のおしおき部屋だそうです。)

天井高は190cm。不思議な安心感があります。

最後に、細かいところとか色々。。

↑階段まわりの細部

↑左がサブリビング。右がリビング。

突き当たりには、壁に見えるけど収納扉。

↑階段とベンチ。三角の隙間。 小さな窓。

↑1階にある3つの扉。

左は主寝室へ。

真ん中はトイレへ。

右はウォークインクロゼットへ。

 

 

以上です!

お付き合いありがとうございました!

外観写真も早く載せたいのですが

まだ外溝工事が残っておりまして、、、。

また次回ご紹介したいと思います。

 

葛西 瑞都

 

 
 

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黒い土間床。

ここ最近毎日のようにブログを書いて

いますが、いよいよ「旭ヶ丘の家」の

オープンハウスが目前です。

最後の工程として、およそ8m×1.6mの

土間の仕上げが行われました。

今回は靴を脱いで歩き廻る土間なので

灰色のモルタル仕上げではなく、

もう少し落ち着いた仕上がりを目指しました。

ということで使うことになったのが墨を混ぜた

モルタルで仕上げる「墨モルタル仕上げ」

という、黒い土間床です。

 

 

まずはコンクリート土間の上に下地となる

モルタルを敷きこみ・・・

その下地が乾ききる直前に仕上げ用の

墨入りモルタルを敷いていきます。

使うのは「京の黒土間」というもので、

京都にある昭和元年創業の建材屋さんから

取り寄せました。

ただモルタルに墨を混ぜているだけではなく、

乾燥後に表面が粉っぽくならないように

白華防止剤というものが同封されていたり、

長年掛けて各々の成分がちょうど良いバランスで

配合されたりしているそうです。

仕上がりはバッチリでした!

何だか黒い一枚岩のような、このお家に

ピッタリの質感です。

(乾くともう少し褪せた黒色になるそう!)

 

嬉しかったのは、担当した左官屋さんが

少しでも表面の凸凹を無くするように、

夜遅くまでコテで均してくれたときのこと。。。

 

「他の職人がここまで仕上げておいて、

自分たちだけ中途半端な仕事はでぎねぇべよ。」

 

と、熱~い一言をくれたこと。感無量です!

作業が終わって時計を見ると23時30分!

こんな気持ちの入った墨モルタルはもう、

最高以外の仕上がりになるはずないよなぁ・・・。

いつにも増してコッテリ仕上がった「旭ヶ丘の家」。

色々な人が集まって、つくった事のない空間を

1からつくるのだから、思い通りにいかないことが

あったり、小さな間違いや手直しや、新たな発見が

あったりしました。というかその連続でした。。。

 

いよいよ明日はオープンハウス。。。

偉い建築家の人はよく、

「自分の建築を自分で語るほど、強引に感じ方を

押し付けるようで良くない!」といいますが、

恥ずかしながら話したいことがたくさんあります。

 

例えば小さなウォークインクロゼットについて。

例えば床の仕上げについて。

例えば家具について。

例えばこの家の成り立ちについて。

例えば暮らすご家族の人柄について。

例えば職人さんの頑張りについて。

ご来場、お待ちしております!

 

葛西 瑞都

 

 
 

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ムツホームとつくる住まい。2013

2013年に建てさせていただいた住宅について

掲載した実例集「ムツホームとつくる住まい 2013」が、

やっと、やっっっと完成しました。

本当は去年の年末か今年の1月くらいには作る

予定だったのですが、ズルズルと3月の終盤に

なってしまいました。。。

「旭ヶ丘の家」のオープンハウスにも何冊か

持って行きます。

ホームページからでもお取り寄せできますので、

2011、2012と合わせてご覧ください!

(もちろん無料です)

 

葛西 瑞都

 
 

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ダイニングテーブルと2脚のベンチ。

「旭ヶ丘の家」の造作家具のひとつに、

ダイニングテーブルと2脚のベンチがあります。

今回は階段や手すりなどに鉄を使っているので、

テーブルとベンチにも鉄を使ってみませんか?と

建て主のご夫婦にお話したところ、 2つ返事でOKを

頂いたので張り切って設計させていただきました。

 

せっかく鉄を使うので、鉄でしかつくれない

プロポーションが良いなぁ。。。という感じで

早速鉄骨屋さんと相談。手すりには丸い断面を

使いましたが、座面や天板が付く家具には

四角い断面の方がいいだろうとのこと。

3センチ角の鉄パイプでシンプルなフレームを

組んで、それに建具屋さんが天板と座面を

取り付けて完成しました。

テーブルの大きさはおよそ畳1枚分。真横から

見るとわかりやすいのですが、天板の大きさに

比べて厚みがとても薄い。。。鉄の強度があって

初めてつくれるプロポーションです。

そしてもうひとつ重要なことがあって、それは

成り立ちが明快でわかりやすいということ。

誰が見ても

「鉄のフレームに木の板が乗っているだけ。」

ということがわかります。

何か余計に厚みをつけて、隠れた内部で

細かな細工をしたりすると、成り立ちとしての

透明感が無くなってしまう様な気がしています。

(つくる方からすればつくりやすいのですが。)

なので精度も手間も必要な方法をあえて

選択しました。

 

ちなみにテーブルセットが置かれるのはここ↓。

建築の一部である手すりと、

家具であるテーブルとベンチ。

建築とか家具とかジャンル分けしないで

空間をつくる要素として、同じように考えてみると、

何だかまだまだ楽しい発見がありそうです。

 

葛西 瑞都

 

 

 
 

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カメレオンの様な扉。

現在仕上げ工事の真っ最中の「旭ヶ丘の家」

ですが、ちょっと面白い建具があります。

テーマは擬態。

一つ目はこの木製の壁面に造られた小さな扉です。

壁面にいきなり切れ込みが入って、カパッと

開いてしまうようなイメージ。

ブロンズの小さな取手と蝶番が付いています。

中にはインターホンのモニターと玄関ドアの

施錠を遠隔で操作するリモコンが仕込まれています。

こんなメカニックな物が丸見えにならないよう、

大工さんにひと頑張りしてもらいました。

 

そしてもうひとつは、キッチン背後のデコボコした

木製の壁面に造られた2つの扉です。

こちらの扉にはもはや取手すら無く、

壁の一部分がペコッとへこんでいるだけ。

これでも、ちゃんとした扉なのです。

左の扉はトイレやお風呂などの水廻りへ。

右の扉は食品庫へ続いています。

この壁面には大きな目地が入っているのですが、

壁面の目地と建具の目地がピタッと揃っています。

(本当に素晴らしい職人技!)

その目地に指を掛けて扉を開ける。。。

感覚としては、扉を開けるというよりも

壁をずらしているような、不思議な感じです。

元々この扉は「扉」っぽくないように、「壁」っぽく

造ることを考えてはいましたが、現場で実物として

実現させてしまう職人さんは本当に凄いです。

特に今回は、壁材を張る大工さんと、建具を造る

建具屋さんとの協力による合作!

見事な擬態が完成しました。

以上、カメレオンの様な2種類の扉のご紹介でした!

 

葛西 瑞都

 

 
 

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模型と現場。

現場が終盤近くになってくるといつも、

「始めの感覚に立ち返ってみる」という

ことをしています。

 

「始めの感覚」っていうのは、まだ現場が

始まる前の設計中に思い描いていた

イメージなんかを、建て主のご家族とお話

していた頃の感覚。

設計という仕事は現場が進むにつれて、

いつしかその感覚が薄れて現場の都合や

数字、数量、工期のことばかりに

気をとられてしまいがちになってしまいます。

なので、きちんと最初に思い描いた所に

着地しているか、毎回確認しています。

↓まずは模型から。

↓続いて現場写真。

途中で問題にぶつかって悩むことも多々ありましたが

・・・なんとか、着地できたような気がします。。。

 

葛西 瑞都

 
 

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「旭ヶ丘の家」近況報告&オープンハウスです!

「旭ヶ丘の家」では鉄製の手すりや階段に

からむ大工工事の真っ最中です。(3月6日現在)

1枚80キロある階段のささら桁を5~6人掛かりで

据え付けるのですが、床や壁と取り合う部分は

シンプルな見た目にしようとすると細かな細工が

必要になります。力仕事と精度の両方を要します。

現場はまるで部活動の様な熱い雰囲気でした。

厚さ9ミリ、幅200ミリの薄っぺらい鉄板が

5メートル以上もの距離にわたってフワッと

掛けられています。せっかく鉄を使うので鉄でしか

造れない空間を考えたのですが、組み上がってみると

やっぱり良いです!色は艶を抑えたブラック。

いかにも鉄らしい、スマートな階段です。

そして今回は手すりも鉄で製作しています。

ブログの方でも少しご紹介していますが、

この手すりも床や壁との取り合い部分をシンプルに

するために細工してもらっています。

例えば床の部分。固定用のプレートを隠したいので

この上からフローリングを敷いていきます。

フローリングもちょうど目地が手すり部分にくる

ようにして、2枚のフローリングで挟み込むように

敷いています。

細い鉄の手すりがスッと立つ良い感じの

佇まいになりました。他の人が見ても、普通に

床に手すりが付いてるなぁ。としか思わないかも

しれないけれど、固定用のプレートが丸見えだったら

このプレート邪魔だなぁ。と感じるはず。

そんな隠すための小さなデザインです。見た目には

わからないけど、職人さんの手仕事の跡が残る仕事。

さてさて現場はこれから仕上げ工事。木や鉄に色を

塗ったりタイルを敷いたり壁紙を貼ったり設備機器を

据え付けたりと、最後の追い込みが始まります。

そして、22日、23日にはオープンハウスも開催します!

建て主の悩ましくも楽しい葛藤の様子や職人さんの

手業の凄さを感じていただけたら嬉しいです。

(毎度のことですが、設計の頑張りも少しだけ・・・)

 

葛西 瑞都

 
 

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「旭ヶ丘の家」鉄骨階段の工場見学と現場の完成度。

「旭ヶ丘の家」では階段と手すりに

鉄骨の部材を使います。

ということで、階段部材の仕上がりを

確認するため工場見学へ。。。

全長にして5.5mにもなる、階段の踏み板を

支える「ささら桁」という部材です。

ふだん僕達が見かける鉄骨はきれいに塗装

されたキレイな仕上がりですが、工場では

せん断加工の跡や溶接の様子、寸法や

注意点のメモ書きが残る、無垢な状態を

見ることができました。

それにしても、こちらが描いた図面を製作用に

起こして、それを現実につくってしまうのは

やっぱりすごいし格好良いですね。。。

この鉄骨階段の他に手すりの製作もお願い

しているのですが、仕上がりが楽しみです!

あと、現場の完成度について。

大抵僕が考えるデザインは、難しくて

面倒で大変なことが多いです。

というかそもそもムリじゃない?と

いうことも少なくありません。

1つ新しいことをしようとすると、10個位

問題や課題が発見される気がします。

そんなことを答えの出ないまま職人さんに

相談してみるのですが、いつも職人さん側

のアイディアに救われています。

「ふつうの何倍も手間が掛かるけど、

仕方ねぇしな」という感じ。 感謝です。。。

 

そしてこの鉄骨部材のデザインでも、本当に

鉄骨屋さんや大工さんを悩ませました。 

手すりを立てるとき、足元をシンプルにする

ためにフローリングを敷く前に手すりを立てて

固定部分を隠すのですが、その手すりの一部

が木製階段にかかっています。

先に階段を組上げて踏み板の裏側から

手すりを固定する必要があるけれど、

フローリングを敷かないと階段が造れない。

でもフローリングを敷く前に手すりを立てたい。

こんな難題がたくさんです。↓この手すりです。

こんな風に難しくて面倒で大変なことを

ひとつひとつ乗り越えていきます。 

何十年も住むお家のことを一瞬の判断で

決めていくときに、後悔の無いようにしたい。

そんな個人的な感覚を、職人さんと共有

しながらつくっていきたいです。

 

葛西 瑞都

 
 

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「旭ヶ丘の家」現場の様子。

工事が着々と進む「旭ヶ丘の家」、

現場の色々な場面です。

↑リビングの下にある、天井高さが1.9m位の

ウォークインクローゼット。

↑主寝室①

↑主寝室② 大きな窓からテラスへ出られる。

テラスの向こう側は庭、そして崖。

↑まだ壁がないので、向こう側まで視線が通る。

↑土間から見上げると、仮設の床がリビングの

上部に作られています。

↑2階の床より1m位低いリビングの床面。

↑2階にある、景色を一望できる浴室。

↑2階のダイニングと、その奥のテラス。

↑ぎゅうぎゅうの断熱材。

↑電気業者さんのメッセージ。

 

色々な職人さんが一人残らず四苦八苦しながら、

一生懸命頑張っています。。。

 

葛西 瑞都




 
 

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「旭ヶ丘の家」近況報告と仕上げの話。

弘前市の街並みを一望できるがけ地に建つ

「旭ヶ丘の家」は、現在大工さんと四苦八苦

しながら現場が進んでいます。

これから何十年も家族が暮らすお家の

骨組みが見える今のタイミングは、

貴重であり楽しくもあります。

住み始めてからは中々見られない部分

だけど、建物を支える一番基本的な構造体。

柱の一本一本に手書きで番号が書かれて

いたり、木材同士を緊結する金物が付いて

いたり、屋根裏には上棟式で飾った家内安全を

意味する御幣(ごへい)や、ワラジが結ばれて

いたり、いかにも木造の家らしい光景が

広がっています。

そんな現場を見ながら将来の暮らしを妄想したり

新しいアイディアを発見したり、、、。

ジャングルジムの様にそこかしこを行ったり来たり

しながら楽しく悩んでいるところです。

さてそんな骨組み状態の「旭ヶ丘の家」ですが、

仕上げにはたくさんの種類の材料が使われます。

スベスベした木を使うリビングの壁、ゴツゴツした

木を使うダイニング・キッチンの壁、ヒバの板材を

張る浴室の壁、墨で着色したモルタルの土間、

四角いタイルを敷いた土間、無垢のオークフローリング、

ウリンという硬い木でつくるウッドデッキ、洗面台には

小さなかわいいモザイクタイル、大きな造り付けの

建具には滲んだスリガラス、ステンレス製のキッチン、

鉄の階段と手すり。。。

色も手触りも様々な素材達が混ざり合った空間は、

時間の経過とか思わず付いてしまうキズや汚れとか、

色んなものを受け入れてきっと愛着のあるものに

なると思います。

スキップフロア形式なので床の高さも天井の高さも様々、

使われる素材も様々、たくさんの「様々」がぎゅっと

ひとつに合わさって、どんな仕上がりになるのか?

やり直しのきかない建築だからこそ、思いっきり積極的に

家をつくる!ということが大事なのではないかと思います。

あ~こりゃまた建て主のNさんに似合うお家に

なっちゃうんだろうなぁ~~~。

 

葛西 瑞都

 
 

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