「石江の家」

青森市に建築中の「石江の家」をご紹介します。

ご夫婦と子供1人(将来的には2人かも)の為の

住宅で、新幹線が停車する新青森駅周辺の

住宅地に敷地があります。

周囲にはこれから住宅が建ち並ぶことが予想

されましたが、まだ隣家が未着工のため隣地との

プライバシーのとり方が大きな課題のひとつでした。

何度かお打ち合わせを重ねて決まったプランが、

リビングを建物の中心に配置して全方位の隣地

から均等な距離感を確保したプランです。

1階は大きな木製の壁面に囲まれた落ち着いた

雰囲気の空間で、リビングの周囲にダイニング、

キッチン、客間、水廻り、玄関などが配置されて

います。

リビングの上部は明るい吹抜けになっていて、

何となく上方向を意識しながら寛ぎます。

2階は1階とは対照的に壁の少ない大きな

ワンルームになっています。真ん中の吹抜けを

中心にクルクル廻れる回遊動線をつくり、

ベッドスペースやサブリビング、書斎、2つの

テラスなどを廻りに配置しています。

壁で仕切られていないルーズなままの2階と、

大きな木製の壁面により囲まれ感のある1階との

対比が楽しみな住宅です。

 

葛西 瑞都

 
 

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庭づくりの季節、楽しく悩むこと。

去年お家を建てさせていただいたご家族

を中心に、庭造り計画が進行中です。

ささやかな家庭菜園でも、玄関前の

シンボルツリーでも、広々とした芝生でも、

やっぱり自然の緑は気持ち良いです。

さてさてこれらの写真は藤崎町の国道沿いに

ある「藤崎造園」さん。低木・中木・高木が

そこかしこに配置されていて、常緑樹や

落葉樹、きれいな花が咲いたり、かわいい実を

付けるものもあります。

日陰に強い種類や直射日光に弱い種類があった

り、秋には紅葉を楽しめたり冬にはクリスマスツリー

として飾り付けができるものも。

・・・逆にもう選べません。

どのご家族も迷いぬいた末に決断するのですが、

少し客観的にその悩んでいる様子を眺めていると、

何だか嬉しい気分になってきます。

敷地全体を含めた住み心地が更に気持ち良くなる

ように眉間にシワを寄せながら考えることは、とても、

う~ん、上手く言えませんが、良い事だと思うんです!

最後の最後は子供の「これがいい!」だけで決まって

しまったりしますが、何だかそんな過程に関わることは

すごく良い体験だと思うのです。

やっぱり家づくりは楽しいなぁと再確認した昼下がりでした。

 

葛西 瑞都

 
 

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「平岡の家」へ訪問。

去年の末にお引渡しをした「平岡の家」に

行ってきました。メンテナンスのついでに

家中を見学。。。

もうすっかり建て主の暮らしに馴染んでいました。

そこかしこにかわいい雑貨やおもちゃが

置かれています。

段差は空間をゆる~く仕切っていて、座ったり、

寝転んだり、子供がジャンプしたり。

階段の踊り場にはバズライトイヤーが

「ようこそ!」と最高の笑顔で陣取っています。

窓際にまで楽しそうに物が置かれていて、

大きな雑貨屋さんにいるような、

小さな美術館のギャラリーにいるような。。。

「この雑貨をどう飾ろうか?」とか、

「この段差でどう遊ぼうか?」とか、

なんだかまだまだやりたいことがたくさん

ありそうで僕も楽しかったです。

(こんなお家で育つ子供達がうらやましい・・・。)

葛西 瑞都

 

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「高田の家」に訪問

今年の雪解け時期にお引渡しをした

「高田の家」に行ってきました。

中庭の外水栓に蛇口を取り付けるため

に伺ったのですが、やはり「どんな風に

暮らしているかなぁ」ということが

気になります。さて中へ。。。

この感覚はどのお家でも変わらない

のですが、工事中は自分の建物だと

思っていたのに、後で訪ねるとすっ

かり建て主の生活に馴染んでいます。

少しずつですが家具や雑貨達も

居場所が決まってきていて、リビングには

大きなテレビやお洒落なペンダントライトが

あったり、小さな書斎にはご主人の愛読本が

ズラッと並んでいたりしていました。

なんだかすっかり住みこなしてました。。。

↑リビングのベンチには金魚の小さな水槽。

  床には女の子のおもちゃ。

これから中庭に木を植える為に造園屋さんに

行ったり、お気に入りの家具を見つけるために

お店を廻ったりとまだまだ色々と忙しいのですが、

とても楽しそうに暮らしている様子にこっちまで

ワクワクしてしまいました。。。

ところでこの「高田の家」、夏に発売予定の

「住んでみたい青森の住宅」という雑誌に

掲載されます。

「中庭に囲まれた空間」のことを写真と文章で

伝えるのですが、今回は暮らし始めてからの

撮影になるのでご家族の明るい雰囲気みたいな、

建築以外の部分も伝わる校正を妄想中です。

本当は10ページ位もらって、初めて出会ったとき

から完成までをじっくりと紹介したい所ですが、

現実はたったの4ページ。

いつものことながら困った困った。。。

葛西 瑞都

 

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秘密の小さなプレゼント。

先日オープンハウスをさせていただいた

「高田の家」は、明日がお引渡しです。

もし建て主の方が今日中にこのブログを

読んでしまうとネタバレになってしまう

のですが我慢できないのでご紹介します。

今回設計した「高田の家」は5つの中庭が

ある平屋建ての住宅です。建て主の方は

いつも現場に差し入れをしていただいたり、

遠方に行ったときにはお土産を買ってきて

いただいたり、オープンハウスのときにも

差し入れをいただいたりして本当にお世話に

なりました。設計としても初めてだらけのことが

たくさんあって、完成までずっと一緒に苦労して

いただきました。

 

そこで、ささやかながらお引渡しの日に何か

プレゼントできないかと思い、小さな置き物を

つくってみました。

現場で余ったフローリングの切れ端に孔を

空けて、チョコレートのような光沢のある

塗装をしてみました。この孔の配置は家を

空から見たときの中庭の配置と合わせています。

このお家の大きなテーマである「点在する中庭」を

かわいくアイコン化して、さりげない置き物に

できないかと考えました。

このお家に訪ねてきた人はこのプレートを

見ても何をかたどった物か絶対にわかりません。

建て主だけが意味を知っていれば良いと思います。

さて、喜んでいただければ嬉しいのですが。。。

葛西 瑞都

 

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半年振りの「中野の家」

昨年の11月にお引渡しをした「中野の家」に、

見学がてら点検をしに行ってきました。

僕は元々お引渡し後に建て主の方がどんな

風に暮らしているかとても興味がありました。

さてさて、夕方の6時頃に到着。。。

薪割り前の丸太が山積みになっていました!

これはさぞ素敵な暮らしをしているに違いないと、

ワクワクしながらインターホンを押すとご主人が

出迎えてくれました。奥様はまだお仕事で

娘さんはまだ保育園とのこと。それでは中へ。。。

オーロラのようなゆらめきが特徴の薪ストーブ

(ネスターマーチン)に火が灯っていました。

この時点で僕はかなり舞い上がっていましたが、

2階のリビングへ。

まるで小さな音楽スタジオのようなスペース。。。

テレビの両脇にはハコだけ製作させていただいた

ご主人手作りのスピーカーが鎮座しています。

空間全体に広がるBGMの中少し右に視線を移すと、、

1階から立ち上がる大きな壁面棚には、娘さんの

工作作品やかわいい雑貨、マンガ等が並べられて

いました。一つひとつの置き物が専用の小部屋で

くつろいでいるような楽しい風景です。

この壁面棚の下の方はキッチンから使う背面棚に

なっていて、、、

奥様お気に入りのスターバックスコーヒーの

タンブラーがたくさん並べられてありました。

これだけ大きな棚に色とりどりの置き物が

並べられていると、その時々の置き物や配置で

空間全体の雰囲気が変わっていくだろうなぁと

楽しく妄想してしまいます。お引渡しから半年

足らずでこんなに住みこなしていただいて、

本当に嬉しい気持ちになりました。

雪が無くなったら庭づくりもお手伝いする事に

なっているので、暖かくなってからも楽しみです!

葛西 瑞都

 

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「高田の家」の近況。

23日のオープンハウスに向けて、

慌しく現場の作業が進んでいます。

↑中庭ではコーキング作業が。

色々な業者が出たり入ったりです。

↑こじんまりとした書斎では本棚の塗装中。

↑玄関からとても明るい中庭を見ています。

内部と外部の明るさが違いすぎて、写真では

雰囲気が伝わりづらいです。

↑子供部屋からは子供たち専用の中庭へ

出ることができます。

↑今回初めて、踏み板が互い違いになった階段を

設計しました。上部にはロフトがあります。

↓次は屋根の上へ。

屋根に上がると大きな平屋に対する中庭の

配置が良くわかります。早く足場を外したいです。

5つある中庭のうちのひとつには、小さな

テラスがつくられています。亜鉛めっき塗装処理

を施した鉄骨のフレームに、グレーチングを載せて

完成です(写真はグレーチングが無い状態です。)

光も風も雨粒も通す軽いデザインとしています。

ロフトの窓から出入りします。

完成に向けてラストスパート中です!

ぜひ皆様、来週の土日は予定を空けて

おいてくださいね!

葛西 瑞都







 

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住宅雑誌「WAGAYA」が発売してました。

去年の末から出版社とやりとりして校正を

決めた「WAGAYA」が、いつの間にか書店に

並んでいました。

掲載されている住宅は「中野の家」。

階段状のスキップフロアや吹抜けを介した

上下階の繋がりが伝わるように、

見下ろしたり見上げたりしている写真を

中心にレイアウトしています。

さて、たった4ページの中で何を伝えて

何を省くか・・・。そればかり考えて検討

していたような気がしています。

外観やインテリアの雰囲気や空間の広さ

なんかは写真と文章で簡単に伝わるのですが、

僕が一番伝えたい事とは少し違います。

読者がこの4ページを読み終わったときに、

「ムツホームと家をつくるのは

大変そうだけど楽しそうだなぁ」

と感じてもらうこと。僕と住まい手と作り手が

四苦八苦しながらもワクワクしながらつくられた、

そんなプロセスが少しでも伝われば嬉しいです。

書店で見かけたら、ぜひご一読を!

葛西 瑞都

 

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わざわざ手仕事でつくる良さ。

「高田の家」では現在フローリング敷きの

真っ最中です。今回はカバ桜という木の

フローリングなのですが、リビングをはじめ

数ヶ所に床用のコンセントがあります。

既製品のフロアコンセントといえば

ステンレスとかのツルツルした素材で

つくられた物がほとんどなのですが、

リビングなどの人がくつろぐ空間には

あまりそぐわない見た目だし、手触りも

硬くて冷たいし、何だか事務室みたいな

無機質さが嫌だなぁと思っていました。

 

そこで、フローリングがそのままカパッと

外れて、内部にコンセントボックスが

仕込まれているデザインはどうだろう?と

お客様と大工とに相談して、手間を掛けて

つくってもらいました。

本当に言われないと分からないくらい、自然に

つくられています。

あとはフタになっているフローリングに指を

掛けたり配線を通すためのかわいい孔を

あけて完成です。無垢材の木目がそのまま

繋がっていること、段差が全く無いことで

未使用時には存在を忘れられるくらいの

ささやかな存在感です。

目をひくデザインだけではなく、目に付かない

デザインを考えてみること。それをわざわざ

手仕事でつくることの良さがあると思っています。

葛西 瑞都

 

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「高田の家」の近況+中間検査の時に考えたこと。

外側には構造用合板とシートが張られ、壁の

中には断熱材が入れられていきます。現在は

フローリングを張ったり仕上げの下地となる

石膏ボードを張っているところです。

少しずつ模型の雰囲気に近づいてきました。

 

そういえば先日瑕疵担保責任保険の中間検査

がありました。検査では検査員と一緒に現場の

各所を廻るのですが、後ろめたいことが無くても

検査というのは少しドキドキします。

少し気まずい雰囲気で検査員の後ろを着いて

いっていると、

「いやぁ~、良い住宅ですね!図面で見るより

ずっと気持ち良いですね!!」

 

・ ・ ・ ?

 

「こんな住宅地で空や外をひとり占めできて、

プライバシーは守られてるし!」

 

・ ・ ・ !?

なんだか緊張感が一気に吹き飛びました。

そのあとしばらく雑談。。。設計者としてこんな

ことを考えて、提案して、こんな感じになる予定です!

と、楽しく検査が終わりました。

建て主の方の為だけに考えてつくっている住宅

ですが、他の誰かに褒めてもらえるのはやっぱり

嬉しいです。それが一般の方ではなく、空間の

気持ち良さには無関心でいいはずの検査員さん

だったら特別です。サプライズというやつです

ところで、検査員さんの言っていた

「図面で見るよりも」というのはどういうことかな?

ということを考えていたのですが、それは多分

図面が線の集まりでつくられているからだと

思っています。

建築物は大概とても大きくて、様々な要素から

成り立っています。図面にはその様々な要素を

凝縮して表現する必要があって、厚い壁も、

柱も、ドアも、窓も、家具も全て線によって

描かれています。

この「高田の家」の平面図を観ると大きな平屋が

中庭によって分けられている様子がわかる

のですが、その平面図では大きな窓による

視線の抜け方までは表現されていません。

だから、検査員さんは中庭の向こう側に見える

空間まではイメージできず、現場を見て驚いた

のだと思います。

これはお客様に図面を見せるときも同じで、

図面だけではその空間の良さが全然伝わらない

ことが多々あるのだと思います。模型やCGを

使ったプレゼンの意味と大事さを再確認できた、

とても良い経験でした。。。

こちらの「高田の家」ですが、お客様のご好意に

よりオープンハウスを行います。日にちは

3月の23(土)、24(日)です。詳しい情報は

もう少しあとでお知らせしますので、ぜひ

お越し下さい!

葛西 瑞都

 

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