葛西 瑞都
わざわざ手仕事でつくる良さ。
「高田の家」では現在フローリング敷きの
真っ最中です。今回はカバ桜という木の
フローリングなのですが、リビングをはじめ
数ヶ所に床用のコンセントがあります。
既製品のフロアコンセントといえば
ステンレスとかのツルツルした素材で
つくられた物がほとんどなのですが、
リビングなどの人がくつろぐ空間には
あまりそぐわない見た目だし、手触りも
硬くて冷たいし、何だか事務室みたいな
無機質さが嫌だなぁと思っていました。
そこで、フローリングがそのままカパッと
外れて、内部にコンセントボックスが
仕込まれているデザインはどうだろう?と
お客様と大工とに相談して、手間を掛けて
つくってもらいました。
本当に言われないと分からないくらい、自然に
つくられています。
あとはフタになっているフローリングに指を
掛けたり配線を通すためのかわいい孔を
あけて完成です。無垢材の木目がそのまま
繋がっていること、段差が全く無いことで
未使用時には存在を忘れられるくらいの
ささやかな存在感です。
目をひくデザインだけではなく、目に付かない
デザインを考えてみること。それをわざわざ
手仕事でつくることの良さがあると思っています。
2013年2月20日 (水曜日)