説明することの難しさ

設計中は、特にプランを考えているときは

本当に色々なことが頭に浮かびます。

大きい場所、小さい場所。

広い場所、狭い場所。

高い場所、低い場所。

明るい場所、暗い場所。

賑やかな場所、静かな場所。

近いこと、遠いこと。

かわいいもの、かっこいいもの。

古いもの、新しいもの。

変わるもの、変わらないもの。

地域のこと、ご近所のこと。

食べること、眠ること。

夫婦のこと、子供のこと、

おじいちゃんおばあちゃんのこと、

家族の距離感のこと。

などなど。

こういったことを同時にいくつも考えながら

出来上がったプランは、説明するのも

とてもエネルギーを使います。特に言葉だけで

話そうとすると自分でも何を言っているのか

分からなくなるし、お客様はもっと分からない。

だから模型やCGパースが必要なんですが、

どちらにしても大変です。

でも、一番伝えたい部分を分かってくれた時の

嬉しさはこれまた口では言えないほどに凄いんです。

お客様も一緒になって盛り上がってしまいます。

その後大なり小なりの変化があって家が

出来上がりますが、お客様と共有した

「一番つくりたかった部分」は必ず残っています。

というかその部分が一番気持ち良い空間になる

ように変化していったかのように、そのご家族に

ピッタリの空間になっていきます。そんな空間に

なったときの嬉しさが、これまた口で言えないほど。

いつも苦労と喜びの連続なんですが、最高です。

ムツホーム 葛西 瑞都

 

 

「内の様な外」 「外の様な内」

今進行中の「カットボックス954」と「若松の家」を

比べてみると、少し面白いんです。

まず「カットボックス954」では、建物の外側に

壁を建てて、内外の壁、床の仕上げを

合わせています。

建物と壁の間にできた小さなテラスは、

店内から見ると内部空間の延長として

感じられるようにしています。

 

ここでつくりたい空間は、「内の様な外」です。

次に「若松の家」では、リビングと外部との間に

「内庭」という緩衝空間をつくっています。

この「内庭」は大きな開口が設けられており、

昼間はリビングよりも明るく、夜は最低限に

抑えられた灯りによってリビングよりも暗い、

どちらかといえば外部に近い空間になります。

天井は住宅としてはとても高く、壁は外壁に

使われる材料で仕上げます。

 「内部空間」と「外部」の間に「半外部空間」の

ような場所をつくり、これにより生活が緩やかに

外部まで繋がっていくような広がりをつくろうと

しています。

 

ここでつくりたい空間は、「外の様な内」です。

「内の様な外」と「外の様な内」。

どちらも実際の床面積以上の広がりを

感じさせる空間で、そういう用途不明確な、、、

暮らし方によって使い方が変わっていける

ような空間です。

ん?どちらも同じことを考えた空間?

でも、つくろうとしている空間は正反対。。。??

考えれば考えるほどわからなくなりますが、

どちらも楽しくて気持ち良い空間になりそうです。

葛西 瑞都

 

やっとできた。

「ああぁ~~~!やっとできた!!!!」

と、夜の机でひとり絶叫しています。

なにができたかというと、「常盤の家」の

雑誌掲載用のデータ。。。

2ヶ月くらいかけて、一生懸命つくりました。

雑誌を手に取った人がペラペラとページを

めくりながら、ふっと目に止まる様な

レイアウトになるよう検討しました。

段差がある住宅なので、平面図ではなく

断面パースで空間構成を伝えています。

 

グラフ青森さんで出版している

「住んでみたい青森の住宅」という雑誌です。

お店で見かけたら、手に取ってみてください。

発売は7月頃かな?

 

葛西 瑞都