「旭ヶ丘の家」リアルな敷地の模型

絶景を独り占めできる高台に建つ

工事進行中の「旭ヶ丘の家」の模型を

作っているのですが、隣地との高低差や

樹木の様子がわかりやすいようにリアルな

敷地の模型を作りました。

上手くできたので少しご紹介します。

既存のコンクリート擁壁が敷地の2面に

まわされていて、下部の大きく育った樹木が

敷地の高さまで伸びています。

建築模型というよりも鉄道模型なんかの

ジオラマに近い雰囲気で、地面は紙粘土に

芝生表現専用の粉を数種類。樹木も種類が

あった方がリアルなので模型用の樹木の他に、

枯れ木の枝を使ったり、枯葉を掃くホウキを

チョキっと切って使ったりしています。

模型作りの難しくて楽しい所は自分なりに

適した表現を発見しないといけない事です。

コンクリート擁壁には実物と同じように目地を

入れて、グレーに着色しています。年月の経過を

感じられるようにツタの葉を這わせました。

最後に隠しキャラとしてウサギを一匹。

(下の写真中に、彼はいます)

これで敷地の模型は完成です。

建物の模型と同じくらい時間が掛かってしまった

けれど、建物の外観や内部からの眺め、庭の

使い方等を考える時にはとても役に立ちます。

ギャラリーに展示しますので、ぜひ見てみて下さいね!

次回は建物の方をご紹介します。。。

 

葛西 瑞都

 
 

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空間の広さの感じ方について考えていること

先日2週間続けてオープンハウスが

行われたのですが(いらしてくれた方々、

本当にありがとうございました。)

その時に考えていたことをお話しします。

見学に来てくれた方々とお家のことで話して

いると、例えば「広いリビングが欲しいです」

ということを言われることがあるのですが、

つい「それでは何畳位が良いですか?」と

聞き返してしまうことがよくあります。でも「広さ」の

感じ方や考え方というのは実は多様にあって、

大きな窓で庭に繋がるような空間にしたい人も

いるし、天井が高ければそれでいいという人も

います。一部に土間なんかがあるような空間の

用途がたくさん欲しい人もいれば、置きたい家具が

しっかり決まっていて現実的に○㎡の広さが

欲しいという人もいます。例えばこれらの要素を

全て含むことのできる大きな空間をつくることも

できると思いますが、それでは空間の豊かさに

繋がらないような気がしています。僕が興味が

あるのは、その人が言っている「広さ」って、どんな

広さのことだろう?ということです。そんなことが

上手く考えられている空間は、もしかしたら

他の人にとっては「狭く」感じるかもしれない

けれど、住む人にとっては広々とした楽しい

空間になっていると思うのです。

少し個人的なお話になりますが、僕がふだん読んでいる

建築雑誌の中で目を引く住宅は巨大で豪華な豪邸

ではなく、おそらく予算もギリギリで大きくはない

けれど、小さな工夫や建築家と建て主との親密な

やりとりが感じられる様な建物が多いです。僕が

良い建物だなぁと感じる理由のひとつには

よく考えられた「広さ」という基準があるんだと思います。

住む人や使う人にフィットした空間というのは

とても豊かな空間だと思います。

とびきりのオーダーメイド・ハンドメイドな建物を

つくっていきたいと思います。。。

 

葛西 瑞都

 
 

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「石江の家」の模型と実物。

「石江の家」のオープンハウスが9月28日に

行われました。今回は一日だけの開催で、

次の日からはもう建て主のご家族が生活を

始めるということで、完成した建物の写真は

28日の朝一番に少し急ぎ気味で撮影しました。

そして今、その完成写真と模型写真を見ながら

色々なことを考えています。

まず模型は1/20というスケールで作るのですが、

これが中々大きいのです。例えば「石江の家」は

W=45cm、D=45cm、H=35cmくらい。現実の1mは

模型の中では5cmになります。いつもそんな模型を

眺めながら居心地を想像したりそこにいる家族の

様子を妄想したりしています。

やっぱり現実の建築の方は模型と違い、時間に

よって光の入り方も違うし風も通る。当然ですが

歩いたり、走ったり、座ったり、寝転んだり、

ジャンプしたり、寄りかかったり、見上げたり、

見下ろしたりできます。

そんな建築と、自由に持ち運んだり傾けたり

回したりできる模型との間を行ったり来たりしながら

考えるのは楽しいなぁと再確認できました。。。

さて、まだまだ作らなければいけない模型が

たくさんあります。工事完了後もずーっと残る

大切な物なので、頑張らなければ!です。

葛西 瑞都

 
 

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「高田の家」雑誌掲載のこと。

今年の春に完成した「高田の家」が

「住んでみたい青森の住宅」という

雑誌に掲載されます。

しかも今回は表紙に「高田の家」の

書斎の写真が使われることになりました。

撮影当日にはご主人が机上のパソコンの

位置やマウスの配置まで細かくレイアウト

してくださり、こじんまりとしながらも何となく

居心地の良さそうな雰囲気が良く伝わる

写真が撮れました。

マンガ本から難しそうな専門書まできっちりと

並べられています。

さてさて、今回掲載する「高田の家」は

大小様々な5つの中庭をもつ平屋の住宅です。

当然写真撮影でもインテリアだけではなく

内部と外部の繋がり方が大きなテーマで、

写真家の方と試行錯誤しながら撮影しました。

ほとんどの写真に中庭が写されていて、

インテリアと中庭が一体になっています。

写真一枚の中の半分くらいは中庭。。。

↑2つある子供部屋専用の中庭は、

部屋の中のおもちゃが中庭へはみ出して

いる雰囲気。なんとなく気分によって、

内で遊ぶか外で遊ぶか、子供たちが選びます。

↑リビングのテレビボードの背後にある中庭。

植えられている木はシャラの木です。別名

ナツツバキと呼ばれる名の通り、夏に短い

期間だけ花が咲く木です。ひとつひとつの

花が咲く期間は一日足らずなのですが、

撮影当日にはかわいい花が付いていました!

嬉しかったのでアップでもう一枚。

この雑誌に僕の担当物件が掲載されるのは

初めてではないのですが、いつも写真や文章で

表面上の「建築」だけを伝えるのではなくて、

施主と一緒に色々な部分を悩みながら

決めたことや、施主の人柄や好み、

現場で苦闘した職人さんの事など、

裏側の目には見えない雰囲気みたいなものが

少しでも誌面からあふれ出て、それが読者に

伝われば良いなぁと考えています。 

(あと、設計の頑張りも少しだけ。)

 

ちょうど今頃の日にちで発売予定なので、

本屋さんで見かけたらぜひ手にとって

眺めてみてくださいね! 

葛西 瑞都

 
 

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数値化していく住まいのこと。数値化できない住まいのこと。

僕は建築の設計や監理という仕事を

していますが、仕事柄たくさんの

数字や数値の情報を目にします。

断熱性能など様々な性能を数値化して、

予想外のことが起こらないように

コントロールして。。。

なんだか住まいがどんどん難しくなって、

手の届かないところに行ってしまうよう

な気がしてしまいます。

最近では特に「スマートハウス」とか

「エコ住宅」とか情報がありすぎて、何

がホントかなんて誰も分かりません。

そんな時に自分の定規にしなければ

いけないのは、いちばん根っこの部分に

あるシンプルな感覚なんだと思います。

家族みんなでワイワイ美味しくごはんが

食べられて、お酒を呑んで笑える空間や、

子供が元気に遊びまわれるような楽しい

居場所をつくることが大切なんだと思います。

とくに大切なものであればある程、

きっと単純で直感的で、理屈の通らない、

言葉では説明できないような理由で

決めるのが、僕は大事だと思っています。

そしてそんな大切なものは絶対、数値化

なんてできないんです。

僕が考える良い居場所は

「数値化できないこと」が大きな条件

なのかもしれません。。。数字じゃな

くて感覚で家を考えられるということは、

なんだか住まいをぐっと身近に感じられる

気がしています。そうなるともう、「設計」

なんて誰でもできるんです。造り手と住み

手が一緒に悩みながら決めていければ、そ

れが理想的です。

最近訪れるお客様の中には「ショールームや

インターネットでたくさん情報を集めたけれど、

なにがなんだかわからなくなっちゃった!」

という人も少なくありません。

そんな時はいっそ、今まで勉強して身に

付けた難しい知識はどこか隅っこへしまって

おいて、ショールームへ行く代わりに家族

でピクニックに、パソコンを眺める代わりに

家族で楽しくごはんを食べたりおしゃべり

したりしてみてはどうでしょうか?その方が

よっぽど良い住まいをつくるために必要

なことのように思っているこの頃でした!

 

葛西 瑞都

 
 

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植栽と写真撮影。

今年の三月にお引渡しをした「高田の家」

にて、中庭への植栽工事に立ち会いました。

5つの中庭はどれも外部から搬入できない

ので、クレーン車で上部から吊込むという

方法で行われました。

5つの庭にはそれぞれモミジ、シャラ、アオダモ、

クロモジ、エゴノキが植えられ、静的だった空間が

一気に柔らかくなり、動き出しました。

季節ごとに花が咲いたり紅葉、落葉したり、

小鳥が遊びに来たり、クリスマスには飾り付け

したり。。。暮らし方に幅が生まれて、楽しい

ハプニングがたくさんありそうです。。。

さてそんな「高田の家」ですが、つい先日

雑誌掲載の為の写真撮影が行われました。

天気予報は雨でしたが奇跡的に

持ちこたえてくれました。

実は個人的には曇り空が一番撮影日和だと

思っていて、日が当たる部分と影との境界が

柔らかな雰囲気の写真になると期待しています。

注文が多くてカメラマンも大変だったと思いますが、

気持ち良さそうな写真がたくさん撮れました。

雑誌の発売は八月予定。お楽しみに!

葛西 瑞都

 
 

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「石江の家」

青森市に建築中の「石江の家」をご紹介します。

ご夫婦と子供1人(将来的には2人かも)の為の

住宅で、新幹線が停車する新青森駅周辺の

住宅地に敷地があります。

周囲にはこれから住宅が建ち並ぶことが予想

されましたが、まだ隣家が未着工のため隣地との

プライバシーのとり方が大きな課題のひとつでした。

何度かお打ち合わせを重ねて決まったプランが、

リビングを建物の中心に配置して全方位の隣地

から均等な距離感を確保したプランです。

1階は大きな木製の壁面に囲まれた落ち着いた

雰囲気の空間で、リビングの周囲にダイニング、

キッチン、客間、水廻り、玄関などが配置されて

います。

リビングの上部は明るい吹抜けになっていて、

何となく上方向を意識しながら寛ぎます。

2階は1階とは対照的に壁の少ない大きな

ワンルームになっています。真ん中の吹抜けを

中心にクルクル廻れる回遊動線をつくり、

ベッドスペースやサブリビング、書斎、2つの

テラスなどを廻りに配置しています。

壁で仕切られていないルーズなままの2階と、

大きな木製の壁面により囲まれ感のある1階との

対比が楽しみな住宅です。

 

葛西 瑞都

 
 

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庭づくりの季節、楽しく悩むこと。

去年お家を建てさせていただいたご家族

を中心に、庭造り計画が進行中です。

ささやかな家庭菜園でも、玄関前の

シンボルツリーでも、広々とした芝生でも、

やっぱり自然の緑は気持ち良いです。

さてさてこれらの写真は藤崎町の国道沿いに

ある「藤崎造園」さん。低木・中木・高木が

そこかしこに配置されていて、常緑樹や

落葉樹、きれいな花が咲いたり、かわいい実を

付けるものもあります。

日陰に強い種類や直射日光に弱い種類があった

り、秋には紅葉を楽しめたり冬にはクリスマスツリー

として飾り付けができるものも。

・・・逆にもう選べません。

どのご家族も迷いぬいた末に決断するのですが、

少し客観的にその悩んでいる様子を眺めていると、

何だか嬉しい気分になってきます。

敷地全体を含めた住み心地が更に気持ち良くなる

ように眉間にシワを寄せながら考えることは、とても、

う~ん、上手く言えませんが、良い事だと思うんです!

最後の最後は子供の「これがいい!」だけで決まって

しまったりしますが、何だかそんな過程に関わることは

すごく良い体験だと思うのです。

やっぱり家づくりは楽しいなぁと再確認した昼下がりでした。

 

葛西 瑞都

 
 

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「平岡の家」へ訪問。

去年の末にお引渡しをした「平岡の家」に

行ってきました。メンテナンスのついでに

家中を見学。。。

もうすっかり建て主の暮らしに馴染んでいました。

そこかしこにかわいい雑貨やおもちゃが

置かれています。

段差は空間をゆる~く仕切っていて、座ったり、

寝転んだり、子供がジャンプしたり。

階段の踊り場にはバズライトイヤーが

「ようこそ!」と最高の笑顔で陣取っています。

窓際にまで楽しそうに物が置かれていて、

大きな雑貨屋さんにいるような、

小さな美術館のギャラリーにいるような。。。

「この雑貨をどう飾ろうか?」とか、

「この段差でどう遊ぼうか?」とか、

なんだかまだまだやりたいことがたくさん

ありそうで僕も楽しかったです。

(こんなお家で育つ子供達がうらやましい・・・。)

葛西 瑞都

 

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「高田の家」に訪問

今年の雪解け時期にお引渡しをした

「高田の家」に行ってきました。

中庭の外水栓に蛇口を取り付けるため

に伺ったのですが、やはり「どんな風に

暮らしているかなぁ」ということが

気になります。さて中へ。。。

この感覚はどのお家でも変わらない

のですが、工事中は自分の建物だと

思っていたのに、後で訪ねるとすっ

かり建て主の生活に馴染んでいます。

少しずつですが家具や雑貨達も

居場所が決まってきていて、リビングには

大きなテレビやお洒落なペンダントライトが

あったり、小さな書斎にはご主人の愛読本が

ズラッと並んでいたりしていました。

なんだかすっかり住みこなしてました。。。

↑リビングのベンチには金魚の小さな水槽。

  床には女の子のおもちゃ。

これから中庭に木を植える為に造園屋さんに

行ったり、お気に入りの家具を見つけるために

お店を廻ったりとまだまだ色々と忙しいのですが、

とても楽しそうに暮らしている様子にこっちまで

ワクワクしてしまいました。。。

ところでこの「高田の家」、夏に発売予定の

「住んでみたい青森の住宅」という雑誌に

掲載されます。

「中庭に囲まれた空間」のことを写真と文章で

伝えるのですが、今回は暮らし始めてからの

撮影になるのでご家族の明るい雰囲気みたいな、

建築以外の部分も伝わる校正を妄想中です。

本当は10ページ位もらって、初めて出会ったとき

から完成までをじっくりと紹介したい所ですが、

現実はたったの4ページ。

いつものことながら困った困った。。。

葛西 瑞都

 

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